北京
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23/19
今日、3月3日は日本では桃の節句ですね。気候が春めくだけでなく、街や商店なども、ひな祭りやお花見、新年度のムードを迎え始め、穏やかながらもワクワクする時期ですよね。
一方の北京のムードは少し違います。3月3日の政治協商会議第13期全国委員会第2回会議の開幕を皮切りに両会議がスタートするわけですが、各地の代表や委員たちは1日ごろからすでに北京入りを始めています。ちなみに、全国人民代表大会(全人代)の「代表」は約3000人(以下)、政治協商会議(政協)の委員は2000人以上ということです。そのため、北京中心部は人が増え、それに比例して警備も強化され、街全体が引き締まったムードに包まれます。この空気も、3月の北京の風物詩のようです。
▲両会議のプレスセンター、ここも世界中の記者で賑わっています
2015年冬に北京へやってきた私は、この空気を感じるのはこれで4回目。今年の全人代取材を担当するにあたって、去年の大会を振り返ってみました。
2018年の全人代の正式名称は「第13期全国人民代表大会第1回会議」と言います。全人代は1期5年で構成されており、2018年度は新たな5年間のスタートとなる大会だったというわけです。(ちなみに、今年は「第13期全国人民代表大会第2回会議」。初回である第1回と最終回の第5回を除いた3回は、中国では「平年」と呼ばれるそうです)。
2018年の全人代で注目されたトピックスといえば、憲法修正、政府人事、そして国務院機構改革でしょうか。
「中華人民共和国憲法修正案」は2018年3月11日に開かれた第3回全体会議で採択されました。
(参考ニュース:<全人代>第13期全人代第1回会議、「中華人民共和国憲法修正案」を採択)
また、政府人事は役職によって選出方法が異なりますが、等額選挙、国家主席または総理の指名および会議での採決、そして選挙を通して会期中に行われました。と、ここまでは日本のメディアでも取り上げられたことですが、印象的だったのは憲法宣誓式の実施です。
3月17日に開かれた第5回全体会議では、中華人民共和国主席・中華人民共和国中央軍事委員会主席に選出された習近平氏、第13期全国人民代表大会常務委員会委員長に選出された栗戦書氏、中華人民共和国副主席に選出された王岐山氏のほか、新たに選出された全人代常務委員会副委員長および秘書長がそれぞれ憲法宣誓を行いました。
(参考ニュース:<全人代>第13期全人代第1回会議 新国家指導者を選出)
ですが、それだけでなく、19日の第7回全体会議後にも、同会議における選挙で選出された政府機関新メンバーらの憲法宣誓式が執り行われ、生中継されました。これは、今までに無い、新しい出来事でした。
▲2018年全人代の憲法宣誓式(2018年3月19日)、生中継の様子
最後の国務院機構改革ですが、ある意味、私が最も注目していた事柄です。こちらも2018年3月17日の第5回全体会議で可決されたもので、国務院が国務院弁公庁と26の部署に再編されました。
(参考ニュース:<全人代>国務院機構改革方案、全国人民代表大会で可決)
これにより、私たちの中国国際放送局(CRI)も、中国中央テレビ局(CCTV)、中央人民ラジオ局(CNR)と共に、「中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)」へと再編されたのです。
2018年の全人代で再編されたチャイナ・メディア・グループによる、初めての全人代取材が、今回の「第13期全国人民代表大会第2回会議」。3つの放送局が一つになったことで、1+1+1以上のスケールの報道が実現することでしょう。私もその一員として、手を携えて、日本の皆さんに情報をお伝えしていきます。
年に一度の両会議期間に扱われる議題の数は膨大です。そのため、注目点は人それぞれかもしれません。まもなく始まる2019年の全人代に備えて、皆さんも2018年の全人代を振り返ってみてはいかがでしょうか?
そんな時は、CRIの過去の特集ページがオススメですよ!(梅田 謙)
(参考ページ:CRIの特集「2018全人代・政協」)