北京
PM2.577
23/19
北京で開催され、全世界が注目した第6ラウンドの中米経済貿易ハイレベル協議が15日に終了した。中国の習近平国家主席は米側代表団を率いて同協議に臨んだライトハイザー通商代表とムニューシン財務長官と会見した。習主席は、中米の両国とも相手からは離れられないのであり、力を合わせれば双方の利益となり、争えば共倒れになるとして、協力こそが最良の選択と強調した。習主席は、双方の代表団が、自らとトランプ大統領が確定した原則と方向性に則って交流を強化し、協力に焦点を当て、齟齬(そご)をコントロールし、中米の経済貿易協力と両国関係の健全で安定した発展を推進することを希望した。
昨年2月に中米貿易摩擦がエスカレートしてから双方は何度も協議を重ねてきたが、習主席が米側の経済貿易代表団と会談するのは今回が初めてだった。このことは、今回の協議が2週間前にワシントンで行った協議で得られた重要な段階的進展を基礎として、改めて大きな一歩を踏み出したことを意味し、同時に、両国指導者が中米経済貿易摩擦の問題を解決するための鍵となる役割を果たしつづけていることを示している。
専門家は、習主席が米側代表団と会見した際に「協力」の語を繰り返して使ったことについて、中米経済貿易問題を協力という方法で解決したいと一貫して希望している、中国側の誠意と善意を反映したものと指摘した。習主席は一方で、「協力には原則がある」とも指摘している。これは、中米経済貿易問題における協力には、中国として、国家の核心的利益と人民の根本的利益に損害をもたらすことはできないとの前提があるということだ。
昨年2月に中米貿易摩擦がエスカレートして以来、両国の指導者は重要な時点において、電話会談を2回、実際に面会しての会談を1回行い、問題のエスカレートにブレーキをかける重要な役割を果たした。特に昨年12月のアルゼンチンでの会談においては、両国指導者は関税戦争のエスカレートを一時停止させるなどの重要な合意を達成し、貿易摩擦がエスカレートしつづける情勢を一挙に逆転させた。
中米双方の経済貿易代表団は過去3カ月近くにわたり、両国指導者の重要な合意事項を指針として協議に力を入れ、中米経済貿易の問題で「足し算と引き算」を成り立たせようと努力した。今回の協議で双方は、技術移転、知的財産権の保護、非関税障壁、サービス業、農業、貿易のバランス、実施メカニズムといった双方が共通して関心を持つ議題や、中国側が関心を持つ問題について深く意見交換を行い、主要な問題についての原則合意を達成し、さらに中米の経済貿易の問題についての合意覚書について具体的な交渉を進めた。双方は両国指導者がすでに取り決めた交渉期限に向け集中して作業を行い、合意に努力し、さらに来週にはワシントンで改めて協議を続けることを取り決めた。
これらの結果は、双方が問題について広範囲かつ掘り下げて言及し、主要な問題についてはすでに原則的な合意を達成していることを示している。協力のリストの記載事項はますます長くなり、対立点のリストはますます短くなっているわけだ。この原則的合意とは米国側の関心事を反映し、中国側の関心事も具体化したものであり、平等と互恵、ウィンウィンを際立たせた原則だ。
今回の中米協議では、経済貿易問題の合意覚書についての議論も行われた。このことは、双方の協議がすでに、合意文章の策定段階に達していることを意味する。このこともまた、重要な段階的進展だ。
さらに注目すべきは、中米双方の代表団が来週にワシントンで協議を継続することを決めたことだ。前回協議と今回の間に置かれた2週間という間隔が、次回協議までは1週間に縮められた。双方は1カ月内に3回の協議を行うことになったが、協議と協議の間隔はますますせばめられ、つまり開催の密度はさらに高まった。このことは、中米双方が共に、定められた期限内に経済貿易での合意を達成したいとする強い意欲を持っていることを意味する。
交渉のために残された期間はすでに2週間を切った。双方は急いで「足し算と引き算」を行う必要がある。最終結果については、今なお予断が許されない。
「温故知新」という言い方もある。過去40年間、中米間には社会制度、歴史文化、現実の国情の違いなどによる誤解や誤判断が存在し、極端な場合には何度か深刻な危機も発生した。だが、最終的には双方の指導者の政治的知恵により、両国はそれらの危機を処理して解決できただけでなく、相互理解を増進し、中米関係を協力という正常な軌道に戻すことに成功してきた。今回も例外ではない。中米間の三つの共同コミュニケ(両国が国交正常化を目指すことを示した1972年の上海コミュニケ、1978年の国交樹立コミュニケ、米国の台湾問題への指針について双方が合意した1982年の8.17コミュニケ)と両国指導者の重要合意、さらに良好な作業関係は、双方が経済貿易の摩擦を解決し、中米関係を適切に処理するための根本的な指針だ。双方が向き合いつづけ、協力分野における「足し算」を行いつつ、対立事項では「引き算」を続けさえすれば、中米関係は今回も危機を乗り越え、ウィンウィンを実現することになる。(CRI論説員 盛玉紅)