北京
PM2.577
23/19
中国国際経済交流センター(CCIEE)と日本経済団体連合会(経団連)の共催による第4回中日企業家及び元政府高官対話が10月11日と12日の2日間にわたって北京で開かれました。
対話の後で、双方は共同声明の草案を発表しました。その要旨は以下の通りです。
――双方は、中日平和友好条約締結40周年にあたる本年に、両国首脳会談を契機に、政府間交流が強化され、経済界の往来が緊密になる中、中日経済発展の加速化と両国の戦略的互恵関係のさらなる推進についての認識を共有した。
――双方は、両国の経済情勢や成長戦略等について意見交換を行ない、相互理解を促進するとともに、中日企業間協力のさらなる深化や、両国が共通して直面する問題の解決に向けて、貿易・投資の自由化・円滑化の推進と、「一帯一路」の枠組みを含めた世界規模での第三国市場協力の推進、イノベーション分野の協力強化、ハイエンド製造業やシェアリング・エコノミー等の発展の共同推進、さらには、人口減少や高齢化社会、環境問題等に適切に対応し、調和ある経済社会発展実現のためのソリューションを提供すること等について、活発な議論を行った。
――双方は、経済のグローバル化が深まる中、世界的な反グローバリズムや保護主義の台頭への懸念を共有するとともに、中日両国が共に自由貿易の旗印を高く掲げ、自由で開かれた国際経済の秩序の維持・強化に協力していくことが、中日両国のみならずアジアの、ひいては世界経済の発展のために重要であることを確認した。その観点から、双方は、現在交渉中のRCEP(東アジア地域包括的経済連携)や中日韓FTAの早期かつ高いレベルでの実現に期待を表明した。
――双方は、イノベーションの推進において企業が重要な役割を担っていることを改めて確認するとともに、企業活動のグローバル化、市場ニーズの多様化、解決すべき課題の複雑化などにより、新しいアイディアやこれまでにない視点が求められる中、両国企業がこの分野で協力する必要性について一致した。とりわけ、日本が推進する「Society5.0 」や中国における「大衆創業・万衆創新(大衆の起業、万民のイノベーション)」などのコンセプトの下、中日両国が積極的にイノベーションを推進し、両国が互いの知見を共有するとともに、それぞれの優位性を学び合い相互補完することで、アジア地域の持続的で安定した発展に貢献する重要性を確認した。
そのほか、中日双方は、「中日の企業家と元高官による定期的なハイレベル対話の開催は、中日の経済・産業協力関係の深化と、対等なコミュニケーションや相互理解の促進において重要な役割を果たしている」と高く評価したうえで、来年のしかるべき時期に第5回会合を東京で開催することで合意しました。(取材・写真:趙雲莎)