北京
PM2.577
23/19
今日9月30日、中国は五回目の烈士記念日を迎えた。中国政府は北京の天安門広場の人民英雄記念碑前で盛大な公式記念行事を行い、中華民族の独立と人民の自由と幸福の為に、そして国家の繁栄と富強の為に犠牲となった英霊らに祈りを捧げた。
世界の国々にもそれぞれに、自国の法規に基づいた英霊を祀る記念日がある。例えば、5月9日はロシアの反ファシスト戦争勝利記念日であり、毎年5月の最後の月曜日は米国の戦没将兵記念日というようにだ。これらの国では、毎年決まった日に盛大な記念行事を行い、自国の英雄らを追悼している。過去を忘れず、英雄らに敬意を表すのは、人類共通の価値観と言える。このような日々の中において、中国が近代になって経験した悲壮な歴史は忘れられるべきではなかろう。
1840年、西欧の列強がアヘン貿易と大砲で中国の門戸をこじ開けた瞬間から、中華民族は100年の屈辱の歴史へと引きずり込まれることとなった。1840年の第一次アヘン戦争、1856年の第二次アヘン戦争、1894年の中日甲午戦争(日本名:日清戦争)、1900年の八カ国連合軍による侵略戦争から1931年の日本による侵略まで、統計では、中国はこの期間に千を超える不平等条約の締結を余儀無くされたとされる。国家が独立性を喪失し、主権の行使が許されず、領土も散り散りとなり、中華民族はまさに存亡の危機に立たされたのだ。
国敗れて山河も砕け、中華民族の存亡が危ぶまれていた時代、中国には無数の故郷を愛し、理想に燃える愛国心ある人々や高潔かつ強い意思を持つ人々が出現する。彼らは自らの命を顧みず、国家の為に首を投げ出し、熱い血を流し、次から次へと民族の尊厳のための闘いに身を投じ、国家の主権の為に戦った。そして、何千万の英雄たちは、ついには外国からの侵略者を敗り、中国に百年以上続いた半植民地、半封建社会の歴史を終結させ、1949年10月1日の中華人民共和国建国の日を迎えたのだ。
習近平国家主席は、希望ある民族は英雄を求め、前途のある国家は先駆者を求めると指摘する。中国では、一人一人が英雄たらんとする夢を持つ。これは、五千年に渡り文明を受け継いできた国家において、中国人が自らの文化のDNAを受け継いできたからに他ならない。即ち、「一人一人が天下の興亡を担う」という個人としての責任感、「天下の憂いを誰より先に憂い、その後に天下の喜びを喜ぶ」、「まず自分の行いを正し、次に家庭をととのえ、次に国家を治め、そして天下を平和にすべきだ」という理想高き想いである。
中国は国連安全保障理事会の常任理事国の中で唯一未だに主権と領土の統一を成し遂げていない国家であり、全国に三千万を超える貧困人口を抱える国家だ。国家の安全と独立を守り、人民の幸福と無事息災を保障することこそが、この国の最重要事項であり、他国の問題に干渉している暇もなければ関心もない。
歴史を理解しなければ、今日の状況を理解することはできない。百年に渡る屈辱の歴史を持つ国家ならば有している十二分な敏感さこそが、中国が外交の場面で「国家は大小の別なく一律に平等であるべきであり、国家間においては互いに尊重し合うべきだ」と常に強調する理由となっている。
全ての国家は全て自らの英雄と先駆者を有している。十数億人の中国人にとって、今日の平和と発展は、数多くの英雄らの犠牲の上に成り立っているものである。数多くの英霊に安らかに眠って頂く為にも、我々は、自らの刻苦な労働を以って、平和と美しい未来を築くことで、彼らへの想いを繋いでいくべきであろう。(CRI論説員)