北京
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中国では近年、宅配業が著しい発展を見せています。貨物輸送にかかる時間が大きく短縮されているほか、ドローンや自動運転車による配達の模索など、日進月歩で進む技術革新によって、宅配業界を取り巻く環境も急速な変化を遂げています。また、業界の発展に伴い、人々のライフスタイルも激しい変化に晒されています。
そうした中、中国国家郵政局の責任者は7月25日、北京で、「引き続き、宅配業の末端サービスの集約化、スマート化、社会化についての発展を推進すると共に、新たな政策を打ち出し、新興宅配サービスに有益な環境を整え、宅配業における『ラストワンマイル』を改善するサービスの整備を手助けして行く」との考えを示しました。
中国国家郵政局の劉君副局長は7月25日、「中国宅配『ラストワンマイル』サミット」の席上、宅配業の現状について、「今年の上半期、全国の宅配サービス会社の貨物取り扱い量は合計で220億件に達し、昨年同期に比べて27.5%増となった。全国の末端配送共同サービスステーションは4万2000カ所に上り、スマート宅配ボックスも24万ユニット設置され、それぞれ昨年末と比べて35%と16%増えているほか、スマート宅配ボックスの導入によって、毎日の宅配貨物の処理件数が1000万件を突破している」と紹介、運送業の「ラストワンマイル」問題をよりよく解決するために、中国は宅配業の末端サービスについてより良い政策環境を整えていくとの考えを示し、このように語りました。
「スマート宅配ボックスを利用した配達サービスの管理制度を検討、公布すると共に、同一都市内での短時間配送業務の監督管理モデルを模索、構築し、法制度面において新興宅配業の参入に有利な環境づくりを行っていきます」
更に、劉副局長は、全業界の末端サービスを全体的により良質なものにして行くには、企業と政府ならびに社会全体の連携が必要であると指摘しています。これに対して、サミットに出席したJD物流グループCEOの王振輝氏は、次のように述べています。
「私たちは集約型のスマート自動化配送ターミナルの建設を模索し、小型化、自動化された貨物の仕分けシステムを通じて、貨物の集約型仕分けを実現させ、作業効率の向上を図ります。例えば、北京にある亦庄スマート仕分けセンターは、毎日1万件を超えるオーダーの貨物の仕分けが可能ですが、このような仕分けセンターを引き続き北京・上海・広東などの一線都市に配置していく予定です。無人化の面において、JD.com では無人倉庫、配達用ドローン、配達用自動運転車などを有し、今年の初めには無人のサービスステーションを開設しています。このステーションには、貨物ドローンと配達用自動運転車などの連携機能があり、配達プロセスの完全無人化を実現しています」
この他にも、今回のサミットでは、「中国宅配業におけるエコ包装の発展の現状及びトレンドに関するレポート(2018)」が発表されました。レポートでは、過去1年間で、宅配パッケージは量的削減、エコ化、リサイクル措置などの面で著しい成果をあげたとし、「2017年年末現在、電子化伝票の普及率が80%に達し、1年を通して従来型の紙の伝票210億枚相当を節約した他、再利用可能な輸送パッケージなどの使用推進を通じて、貨物中継時に用いるパッケージ4万袋分を節約できた」と記している一方で、宅配物のパッケージは依然として過剰包装であったり、コストが割高であったり、システムが不備であるなどの問題が存在しているとしています。こうした動きについて、劉副局長は、エコ化は宅配業の良質ば発展のために必要な前提条件だと強調、このように述べています。
「私たちはこれからも、宅配企業が川上川下の企業と共にサプライチェーンのエコ化展開をすることを奨励し、エネルギー管理を強化し、資源の利用効率の向上に努めていきます。エコ包装の普及を加速させ、パッケージ素材の生産者と利用者及び消費者など多方面の協力の下でのリサイクルシステムの模索と構築に努めるほか、引き続き、環境に配慮した輸送方式と配送方式を後押しし、新エネルギー自動車の使用割合を徐々に高めていくことを考えています」