北京
PM2.577
23/19
中国社会を揺るがした長春長生生物科技有限責任公司による狂犬病ワクチン不正製造事件に関し、国務院は23日、調査チームを現地に派遣し、調査作業を開始しました。また、中国政府は事件に関連するワクチン全てを押収、同社のワクチン製造業務について停止命令を下しました。これらの迅速な動きについて、世界保健機関(WHO)は25日、声明を発表し、「中国当局が迅速かつ透明度の高い対策を講じたことを全面的に支持し、称賛したい。事件は大変残念なものだが、その事件も当局の抜き打ち検査により摘発されたものであり、これは監督・管理機関の監督と現場検査が人民の健康を効果的に守るために機能していることを物語るものとなった」としています。
それに先だち、アフリカ諸国で外遊中の習近平中国共産党中央総書記兼国家主席、中央軍事委員会主席は、「直ちに何が起こっていたのかを明らかにし、厳しく問責し、法に照らして厳重に処理せよ」との指示を行い、「人民大衆の身体と健康を最優先し、中国のワクチン管理体制を整備し、安全管理のボトムラインを何としても守っていかなければならない」と強調しています。また、李克強首相もワクチン製造と販売に関するすべてのプロセスに対して、速やかに徹底的調査を行うよう求めました。
国務院調査チームの発表したところによりますと、事件を起こした企業の違法行為を徹底的に調査し、不正操業の事実関係の確認及び問題ワクチンの流通経路を徹底的に追跡し、捜査と証拠保全を行うこと(1)、法に照らし、犯罪行為を厳重に処罰するとともに、事件を起こした企業を厳しく取り調べて処分を与えるほか、関与の明らかな責任者を法に照らして厳しく処罰すること(2)、公職者の職務怠慢と過失について厳しく問責すること(3)、リスクアセスメントを合理的に展開し、対象別の救済措置を考案すること(4)、事件を起こした企業に関する後続処理について的確に対処すること(5)、社会の懸念に応え、捜査と取り調べの状況を速やかに公表するとともに、ワクチンの安全性に関する知識の普及をはかること(6)、ワクチンの管理体制の研究・改革・改善のための措置について検討を加え、ワクチンの品質確保に向け、長期的実効性のあるメカニズムの確立を目指すこと(7)など、7方面の作業が今後の重点となるとされます。
同時に、国家薬品監督管理局は現在、民衆の健康を確実に保障するため、全国の管理監督要員を結集し、ワクチン製造業者の全製造と業務プロセスに対する検査を始めています。
WHOは25日、「中国の狂犬病ワクチン事件に関するメディア向け声明」を発表、その中で、「WTOは今回の事件に関して、さらなる調査の結果を待っている。同時に、中国の衛生主管当局にいつでもサポートを提供する用意を整えている」としました。WHOはまた、「中国の免疫拡大計画には大きな成果が見られ、これにより、児童のポリオ、麻疹、はしか、風疹、A型肝炎、C型肝炎などのワクチンによる予防の可能な疾患の罹患者を大幅に減らすことができている」と評価しました。WHOは他にも、中国のワクチン製造業者が国際標準とWHOによる事前認証のレベルに達するよう支援を行っていくとしています。(Yan、む)