ノンフィクションラジオドラマ『梁家河物語』~第6話

2018-07-07 15:13  CRI

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 改革開放政策は、梁家河村の人々にも生活レベルの向上をもたらしました。

 村民の一人、劉瑞蓮(リウルイリエン)は貧しい家庭に生まれ育ちました。彼女の幼い頃の記憶では、毎年夏には弟も妹も靴すらはけないだけでなく、夜は兄弟4人が1枚の布団で寝るような日々を送っており、小麦粉で作ったマントウを食べることなど、夢のまた夢でした。

 そんな彼女は、17歳の時に梁家河村の鞏政福(コン・チョンフ)に嫁ぎますが、結婚後の生活も変わらず厳しいものでした。

 そんな中、習青年が梁家河村の共産党支部書記に就任、地元で鉄業社、総合商店、裁縫社を開設することになりました。そして、裁縫社の開設にあたり3人の女性社員を選ぶこととなった際、意外にも劉瑞蓮がその一人に選ばれます。

 劉瑞蓮は嬉しくて一晩中眠つけなかったと言います。

 1984年の春のこと、劉瑞蓮は「包産到戸(農家各戸が生産を請け負う制度)」という言葉を初めて耳にします。当時、彼女はこの4文字が今後彼女の生活をどのように変えていくのか、知る由もありませんでしたが、これはまさに中国の全農村を巻き込んだ改革の幕開けの瞬間だったのです。

 多くの陝西省北部の農民と同じように、劉瑞蓮は当時すでに自分の力で衣食共に満ち足りた生活をおくっていました。ですが、食べるには困らないものの、使えるお金が十分にない状況が続いていました。そんな中で、出稼ぎに行く人を頻繁に目にしていた劉瑞蓮は、都市での仕事探しを密かに考えます。そこで、農閑期になると、劉瑞蓮は夫とともに延川県に出かけ、アイスキャンディの包装の仕事やその他のアルバイトをするようになります。しばらくすると、彼女らの生活は徐々に上向きになり、梁家河村の「初代農民工」と呼ばれる存在になって行きました。

 1999年、延安の経済と社会の発展は節目を迎えていました。国が打ち出した耕地還元政策の推進により、延安では25度以上の傾斜を持つ耕地の林への還元が求められるようになり、全市をあげての「グリーン」革命の動きが広がって行きました。

 この耕地還元政策が始まって以来、延安では1000万ムー以上の面積が林に変わり、黄色かった延安の大地もたちまち緑色に変わって行きました。

 2007年8月28日、習氏は村民宛の返信の中で、「梁家河村の山々に緑が戻り、水が清らかになったことを知り、非常に嬉しく思っている」とつづりました。そして、「共産党の民を富ませる政策の正しい導きのもと、村の共産党支部と村民委員会の指導のもとで、村人が一丸となって努力すれば、皆の生活はきっとより良いものになる」と記し、村民たちを激励しました。

 2014年1月、梁家河村民委員会は、中国共産党中央総書記である習氏に手紙をしたため、村の経済と社会の発展の状況を詳しく報告しました。

 そして、5月5日、習総書記は梁家河村に返信を送っています。

 手紙の中で、総書記は、「昨年の夏、延川がなん日も続く大雨の災害にあったと聞き、私は村のみんなのことをずっと心配していました。党と政府の支持のもと、みんなは村人を率いて自らを守り、全域で復興に取り組み、農業生産を一歩一歩発展させ、村人の収入もステップアップすることができたと聞いています。私はそれを聞き、ほっとしました。今年、村では発展計画を策定したそうですが、みんなが村人を率いて着実に計画に取り組み、更に良い生活がおくれるよう努力し、より綺麗な村を築いてくれるよう期待しています」と記しました。

 その後、村では新型農村合作医療保険が普及しました。習氏の当時の大家さんである劉金蓮(リウ・ジンリエン)は、「今では保険が使えるようになったので、もし今度病気にかかったら、昔みたいに下手な我慢をすることはない」と語ります。2015年上半期、劉金蓮は腕に痛みを感じ、病院で検査を受けてみると、腫瘍があることが発覚、手術を受けたそうです。劉金蓮によると、その費用のうち、8000元近くが保険で支払われたため、大変助かったのだそうです。

 この新型農村合作医療保険以外に、梁家河村の村民は養老保険にも加入し、60歳以上の老人は皆毎月年齢にあわせた補助金を受けとれるようになりました。

 豊かになった梁家河村の村民たちは、子供たちの教育問題を重視するようになりました。より良い教育を受けさせるために、子供たちを県や都市の学校に通わせ、既に十数人の子供たちが大学に合格しています。

 2017年には、梁家河村の村人の平均収入は前年比15.7%増の2万826元になっています。

 梁家河郷村文化観光発展有限公司、養豚専業合作社、りんご専業合作社、小物生産とアグリツーリズムなど、様々な種類のビジネスモデルが梁家河村を新たな発展軌道へと導いたのです。

 2017年10月18日、梁家河村の村民は村の党支部に集まり、中国共産党第19回全国代表大会の開幕を待ち望んでいました。

 北京の人民大会堂に拍手が鳴り響く中、梁家河村の党支部の会議室でも、同じく熱い拍手の音が鳴り響きました。

 習総書記の報告は、一句一句が村人たちの心に刺さりました。熱く討論をかわすみんなの顔は、より良い未来への自信と期待に満ち溢れていました。

 梁家河村、かつて、夢を築く場所であった山間の小さな村は今、夢を実現する場所へと見事な生まれ変わりをはたしています。(おわり)

ラジオ番組
10月29日放送分
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