北京
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今回ご紹介するのは、自閉症を患った子供たちの社会復帰を芸術の面からサポートする専門機関、「天真者」。北京郊外の順義区にある「天真者」公益発展センターの本部で創設者の石原李華さんにお会いしました。石原さんは中国で生まれ育ち、清華大学美術学院卒業後、日本で心理カウンセラーの資格を取得し、2008年に天真者を創設しました。石原さんはなぜ中国で「天真者」を作ったのでしょうか?
【石原李華】
●清華大学美術学院版画工作室卒業
●日本でアートセラピストや心理カウンセラーの資格を取得
●長年にわたって自閉症児童とその家族のサポートに従事
●北京「天真者」公益発展センターの創設者
●自閉症への社会人介入理論と自らのアートセラピーを提起
●イタリアや日本で「媒体語を活用せずに教授する日本語のイメージ教育法」課程を実施
●日本社団法人AoAartJPの理事・副理事長
【北京「天真者」公益発展センター】
自閉症児童の社会復帰を芸術の面からサポートし、自閉症のアーティストによる大型芸術展を開催するチャリティー機関としては中国初。自閉症アーティストの作品保有量は世界最大規模となる。
「天真者」は2008年に石原さんにより創設され、2012年3月31日に北京の「789」アートエリアで「天真者プロジェクト」として運営開始。同プロジェクトでは、自閉症児童のための展覧会のキャンペーンや芸術的指導、心理カウンセラー、ボランティア教育などの活動が展開されている。2016年8月に北京「天真者」公益発展センターとして正式に発足し、本部は北京の順義区に設置されている。センターでは、一人の子どもに一人のボランティア教員が付き添う形で絵画や陶芸、図工などの授業が行われている。
「天真者」のもう一つの主な活動として注目されているのが、毎年4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて開催される大型芸術展。2008年に始まり、今年で11年目を迎えた。今年のテーマは「源生=生命の真実を原点に」。年々、規模は拡大し、61人の自閉症のアーティストによる作品、600点が出展された。また、今年は芸術展のほかに、子どもたちの交流会や芸術教育にまつわるシンポジウムも開催された。