中国の隣国インドは、昔から多様な思想と哲学流派の発祥地で、これまで数千年間、世界各地の学者がインドに赴き、その習得に励んできました。三蔵法師のインド行き以来、中国の学者たちも、真理を求めるため、インドに行きました。
中国とインド両国政府の文化交流協定に基づき、フォード基金の援助を受けて、中国首都師範大学宗教文化研究所の程恭譲教授が、今年2月から、インドで仏教と伝統文化の発展について研究してきましたが、なぜインドの文化に濃厚な興味を持っているのかについて、程恭譲教授は、「中国とインドの両国は、びっくりするほど似通っている。両国の文化は、いずれも世界では最も早く生まれた文明だ。両国の国民は、最も輝かしい文化を作り上げた。しかし、19世紀から両国の文化は、衝撃を受けた」と語りました。
程恭譲教授は、「両国は長い間の独立戦争を経たあと現代化建設という段階に入っていることから、伝統文化と現代化建設のぶつかりあいが目立っている」との認識を示しました。
程恭譲教授は、「多くのアジアとアフリカの国では、伝統文化の現代化建設に与える積極的な影響を無視して、西側のすべてが先進的で正しいと勘違いした時期がある。このため、多くの発展途上国では現代化建設の過程で伝統文化はかなり無視され、西側諸国にコンプレックスを覚えたことがある。これは、世界をまたは自国のことを正しく理解することに不利である」と語りました。程恭譲教授は、この原因から中国が多くの教訓を喫したことについて、「長い間、私たちは伝統文化と社会や経済の現代化を対立させてきた。つまり伝統文化は現代化建設を拒むものという間違った考えをもっていたのだ。しかし、改革開放政策が実施されてこの30年、私たちは世界から多くのものを学び、その結果、思想界と文化界はこれまでの誤った見解を修正した」と語りました。
インド文化を深く研究した程恭譲教授は、インドが現代化建設を進めながら伝統文化を保護してきた経験を中国が見習うべきだ話たあと 「インドは、現代文明を吸収するとともに、伝統文化をよく守っている。たとえば、インド人はいまも伝統的な衣装を着ている。インド人は現代社会に入ったからと言って伝統を捨てる必要があるとは考えていない」と語りました。
程恭譲教授は、さらに「インドでは多くの文化財が確実に保護されている。市民は携帯電話とパソコンなどを使いながら、毎日お寺で祈祷し、昔ながらの生活様式を守ってきた」と話しました。
インドで、統と現代化が調和的に共存していることは程恭譲教授に深い印象を与えました。程恭譲教授は、「インドと中国は、いずれも悠久な歴史と伝統を持つ発展途上の大国であり、迅速な経済発展を続ける過程で、いずれも経済の発展だけを重視し、伝統的文化を無視するという課題に直面している。両国は、互いによりよく学びあい、経済の発展と文化の保護との関係を適切に処理すべきだ」と語りました。(翻訳:李いつ豪)
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