インド南部のアンドラプラデシュ州の州都・ハイデラバードで25日、2件の一般市民を狙った連続爆発事件が発生し、26日の時点で、少なくとも、42人が死亡し、70人余りが負傷しました。これまでのところ、この事件に関する犯行声明は出ていません。
この2件の爆発はいずれも、ハイデラバード市の中心部で発生したものです。最初の爆発は25日19時40分頃、遊園地施設ルンビニ公園の露天劇場の観客席で起きたもので、当時はレーザー光線によるショーが行われていて、千人近い観客がいたということです。強い爆発によって、3人が即死し、十数人が負傷して、事件の現場は血だらけになりました。また、7人の負傷者は病院に運ばれる途中、死亡したということです。
その15分後、遊園地から5キロ離れたレストランでも爆発が起き、少なくとも25人が死亡しました。週末であったことから、事件現場の近くでは、数百人の地元住民が散歩をしており、突然の爆発により、大騒ぎになったということです。
事件発生後、警察当局は直ちに現場を封鎖し、捜査を始めました。これまでの捜査によりますと、今回の爆発事件は緻密な計画によるもので、RDXという高性能な爆薬が使われており、さらに、最初の爆発事件があった公園はアンドラプラデシュ州政府事務局の近くにあることが分かりました。報道によりますと、爆発事件が発生する前の25日早朝、警察当局はハイデラバードの3カ所で爆発物を発見したということです。地元の治安部門は、これら一連の動きは、テロ襲撃事件だと見ています。
ところで、今年の5月18日、ハイデラバード市の中心部にあるモスクで爆発事件が発生し、20人が死亡しました。インド政府とアンドラプラデシュ州の高官は、今回の爆発事件と5月の事件の関連性を確認するため、合同捜査をスタートさせました。
事件発生後、インドのパシル大統領とアンサリ副大統領及びシン首相はいずれも、今回の事件を強く非難しました。パシル大統領は、犯罪者が国の安定を破壊することを企んでいると指摘し、シン首相は、冷静を保つよう人々に呼び掛けました。また、アンドラプラデシュ州知事は州幹部による緊急会議を開き、現在の情勢について検討を始めたほか、ルンビニ公園の事件現場を視察したということです。
ハイデラバードとアンドラプラデシュ州のもう一つの都市・セクンデラバードは今回の事件後、最高レベルの警戒態勢に入りました。警察当局は都市の全ての出口を封鎖し、空港や汽車・バスの駅で取り調べを行っています。地元の映画館やデパートなどの公共施設も、夜間の営業を中止しました。また、アンドラプラデシュ州に隣接するタミルナドゥ州、カルナタカ州及び首都ニューデリーも、その治安の警戒レベルを引き上げました。
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