中国の楊潔チ外相、ロシアのラブロフ外相、そして、インドのムカジー外相は24日、中国北東部のハルビンで会合を行いました。三ヵ国の外相は共に関心を持つ国際及び地域問題について意見を交換して、今後も三者の実務的な協力を深めることで意見が一致し、会合後に共同コミュニケを発表しました。
2002年から、中国、ロシア、インドの外相会合が計6回行われ、三者の協力は前向きに進展してきました。今回、ハルビンで行われた会合は初めて中国で行われるものです。会合後に共同記者会見が開かれ、中国の楊潔チ外相は「成果ある会合となった。三ヵ国の外相はこれまでの進展をまとめると共に、国際、地域問題について突っ込んだ話し合いをして、三者の実務的な協力を行うことで意見が一致した。また、共同コミュニケの発表内容についても意見の相違はなかった」と述べました。
楊潔チ外相はさらに、「中国、ロシア、インドの発展は世界平和の維持にプラスとなり、共同の発展も推進できる。三ヵ国は引き続き、国際秩序をより公正、かつ合理的にしていく方向へ進める」との考えを示しました。
これに対して、ロシアのラブロフ外相は、「国際問題を解決するには、多角的で、かつ平等互恵の基礎の下で行うべきだ」として、次のように述べています。
「今日は共同コミュニケを通じて、以下のいくつかの点を強調した。まず、国連の地位と役割をより強化・向上させること。次に、全面的に多角主義を広げること。そして、世界の多極化と国際関係の民主化を主張すること」だと強調しました。
また、気候変動の問題において、三者は共に、国連の『気候変動に関する国際連合枠組条約』及び『京都議定書』を主な枠組みにすることを認めました。そして、テロリズムや国際犯罪、麻薬の密輸などを取り締まる面での協力を強化するとしています。
このほか、三ヵ国外相はアジア情勢について話し合い、「平和、発展、協力」がアジア発展の主流だとした上で、アジアでは発展のアンバランス、治安に対する新たな脅威など目だった問題に直面していると考えています。三ヵ国の外相は、各分野の協力を強化して、アジアの安全、安定と繁栄を促すために共に努力する考えを示しました。
国際、地域問題のほかに、実務的な協力を強化することも今回の会合のテーマの一つです。三者は、それぞれの外務省とほかの政府関連部門による協議の仕組みを作り上げると共に、農業、災害の削減と救援、医薬衛生などの分野での協力を強化することになっています。インドのムカジー外相は「インドは2007年12月にニューデリーで三ヵ国の企業家による会議を開催するほか、2008年初めには、三ヵ国の政府関係者と研究者を集めたシンポジウムを開く予定である。この三ヵ国外相会合は協力拡大と理解増進の面でまだまだ大きな可能性がある」と述べました。
中国、ロシア、インドの三ヵ国外相会合は政治的な相互信頼を深めると共に、国際協力を強化する重要な場であり、今や三者の協力は実務的な段階に入っているといえます。
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