インドのムカジー外相は13日イスラマバード入りし、2日間にわたるパキスタン訪問を始めました。
訪問期間中、ムカジー外相はパキスタンのムシャラフ大統領、アジズ首相とそれぞれ会談し、またカスリ外相と共に、二国間の第4回協議の開催を宣言しました。
両国は依然カシミール地方の領有権紛争で問題解決の時間表を示していないものの、今回のインド外相パキスタン訪問によって和平プロセスに向かって一歩前進したと見られています。
会談後の記者会見でムカジー外相とカスリ外相は「第4回の両国間協議が3月13日と14日の2日間開催され、3月下旬には合同テロ対策会議を開催する」と発表しました。
双方はまた、シルクリークの海域国境画定作業を15日から開始し、相互入国査証免除の実施と拘束者の相互釈放を加速し、シアチェン氷河からの両国軍撤退をめぐる協議を近いうちに実施することについても見解の一致に至っています。
更に、核実験のリスクを減少させることや不注意で越境した住民の釈放手続きを加速し、海上事故の防止など解決の見込みがある問題についても意見を交換しました。
また、今回の訪問で両国外相は去年1月からスタートした第3回協議の対話の進捗状況についても総括しました。
双方は「ムンバイの列車爆破事件にもかかわらず、去年の協議は実りある成果を収めた」と見ています。
去年の協議で両国はカシミール問題、平和と安全保障、シアチェン氷河とシルクリーク海域国境画定、テロ対策、麻薬取締り、経済貿易協力、民間交流拡大、ウラルダムの建築などの問題をめぐって会談を行い、多くの分野で前向きな進展を見せました。
しかし、問題の核心であるカシミール地方の領有権紛争については双方は解決の日程作りの段階で依然対立しています。
インドのムカジー外相は「カシミール問題解決の日程作りは依然困難である。会談は継続しており、インドは紛争解決に関する提案全般を真剣に検討していくつもりだ」と述べました。
一方、パキスタンのカスリ外相は「カシミール問題の解決に自信をもっている。この問題では双方はこれまでにない長期間にわたる協議を実施している」と語りました。
ある専門家は「インドとパキスタンの間には歴史問題があり、問題は長期的で複雑である。両国は2004年から和平協議を開始した。協議は一連の事件で妨げられているものの、両国は未来志向をもって各分野の交流を推進している。ここ数年、インドとパキスタンはいずれも経済の高度成長を実現し、経済社会の発展で歴史問題の解消は共通した願望となっている。両国の間には摩擦があるものの、和平プロセスの前進は歴史的必然である」と述べています。
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