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北京のフランス文化センターでこのほど、「ヒマラヤの神秘な石屋」をテーマとし、写真展が行なわれました。フランスからきたマーティン・ダズイゲン女史が7年間あまりチベット自治区に住み、地元のチベット族やチャン族の住む家屋、石屋をカメラに収め、その写真を通じて、古くから伝わってきた石屋の特色、神秘さをアピールし、こうした建物への保護を呼びかけました。
それでは、ダズイゲンさんはなぜ、中国のチベット自治区に来て、地元の建物に興味を持つようになったのでしょう。その経緯を伺ってきました。
ダズイゲンさんはスマートで、元気いっぱいの女性です。子供の頃から、本を読んで中国の文化が好きになりました。もっとこの東洋の国のことを知りたいと思う彼女は、自ら中国の土地に足を運び、興味深いネタを探しに来ました。
中国西部の青海・チベット高原の山々の中には、古くから伝わってきた石屋が点々と建てられています。こうした石屋は大体、星の形をして、四角に、五つの角、六つ、八つ、さらに13の角のものがあります。高さは普通20メートル以上、最高50メートルに達するものもあります。こうした石屋は昔、人々が敵を防御し、食糧や薪を蓄えるものです。数百年の歴史を経て、石屋はずっとチベット族の人々を守ってきましたが、何気なく建っている石屋の歴史や知識について人々は余り知らないのは事実です。
 
ダズイゲンさんは10年ほど前の1996年にチベットカモシカの生態を調べに、青海チベット高原に来ました。ある日、山間部を行っていたダズイゲンさんは雨に降られて、どこかで雨宿りしようと周りを眺めていたところ、向うの山には、灰色の高いビルが雨の中に建っていました。これは、ダズイゲンさんと石屋との初めての出会いで、その後この灰色の建物に魅了されるのは本人にも思いがよらなかったでしょう。
その後、彼女はチベット自治区とその隣の四川省で時々こうした石屋をみることができましたが、古くおごそ厳かで、神秘な美しさにダズイゲンさんは心を奪われました。
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