二年後の1998年、ダズイゲンさんは再び中国に来て、青海チベット高原の石屋の専門研究を始め、すでに8年ぐらい続けてきました。
石屋の話になりますと、ダズイゲンさんはいつも元気が出ます。
「石屋はめったに見られないものです。ユネスコ、国連教育科学文化機構はこの課題について研究を始めていませんが、私は自らの研究を経て、この素晴らしい建物をみんなに知ってもらいたいです。これは勇気のいる事業で、たくさんの人々の参入を必要としています。古い建物だけでなく、そこに住んでいる人々をも理解したいと思います。」
ダズイゲンさんは1998年から、一年中の大部分を中国のチベット自治区と四川省で過ごしました。殆どすべての石屋に足を運んだ彼女は、フランスに帰国してから、図書館で歴史を調べることに没頭していました。彼女は、文字や映像でおよそ150を超える石屋を記録し、その中の47ヶ所の石や、それに地元住民の家、寺院から木製の板のサンプルを手に入れ、アメリカの実験室へ送り、その年代を調べてもらいました。
10年近くの研究を経て、ダズイゲンさんはいまチベット高原の石屋研究の面におけるマスターとなりました。彼女の調べている石屋は今から900年から1500年前のもので、主にチベット自治区やその隣の四川省に分布しています。戦略的要地に建てられた石屋の多くは防御用のもので、村や豊かな平原地域、それに交通中枢の町に建てられた石屋は倉庫に使われます。こうしたダズイゲンさんの結論は中国の考古学者からも認められています。
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