先ほどの曲の中に「ここに住んでいる昔の恋人が刺繍の靴を縫って、顔の穏やかな老人は出征した夫をまだ待っている」という歌詞も、ある伝説から生まれたそうです。昔、この胡同に若い夫婦が平凡で幸せな日々を過ごしていました。ある日、夫は政府に連行され、軍隊に入隊させられました。数年待っても、夫はずっと帰ってきませんでした。妻は毎日、地安門(北京の地名)で夫の帰りを待ちました。来る日も来る日も、来る年も来る年も、ずっと待ちました。娘から中年へ、中年から老婆へ、やがて死を迎え肉体を失い魂へと姿を変え、……ずっと待っています。
この曲を聴きながら、「百花の深処(奥底)」胡同を歩くと、千年前の悲しい物語が心に沁みこんで、なんだか涙が溢れてきました。(博、花、強 チェック:国清)
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