一般的な教室といえば、厳しい先生と書ききれない宿題を思い出すでしょうが、最近、北京市西城区にあるひっそりとしている細い新建(XinJian)胡同では、ある特別な教室でユニークな授業を行っており、たくさんの人で賑わっていると聞きました。強い好奇心を満たすため、わたしは王帥記者と見に行きました。
「北京8号学苑」の入り口 |
教室の名前は「北京8号学苑」だそうです。北京地下鉄4号線に乗って、霊境(LingJing)胡同駅から降りて、西の方にある北京一広い霊境胡同と交差する新建(Xin Jian)胡同に在ります。驚いたことに、実は、この「北京8号学苑」というところは本物の教室ではなく、毎晩から営業する学校風の麻辣(マーラー)火鍋専門店なのです!今年5月2日に「80後」(1980年代生まれの総称)の夫婦がオープンし、外観はもちろん、店の内装、またスタッフの言葉遣いまでも学校風というユニークなアイデアが凝らしてあります。そして、店に来る前に身分証明書の準備が必要です。来客は「80後」ではないと入れません。皆さん、注意してくださいね。
「北京8号学苑」の校則 |
木の机に椅子 |
多種類の食材 |
美味しそうなマーラー火鍋料理 |
教室のベルが鳴ったとたん、クラス担当が教壇に立ち、「起立」「おはようございます」「着席」。一連の挨拶後、今夜の授業がついに始ります……
店内をよく見ると、教壇がレジになっており、どこの小学校にもあるような木の机に椅子が配置されています。机の真ん中に電磁調理器を置くため穴があけてあります。教室前方と後方に2つの黒板も用意されており、当日の授業やハロウィンのカウントダンなどが書いてあります。そして、すべての壁には一世を風靡したテレビアニメの写真や小さい頃誰もが盲目的に崇拝したスター達のポスターが貼ってあります。例えば:「猫のおまわりさん」(黒猫警察長)、「ヒョウタン兄弟」(葫芦娃)、西遊記、海外でも人気があるアンディ・ラウ(劉徳華)、香港の女優・歌手である陳慧敏など。メーニュはなんと答案用紙で、食器も「80後」の小さい時に使ったものとなっています。店長は校長、副店長は班長と名を付け、遊び心がいっぱいです。
メニュー |
小さい時に使った食器 |
後方に用意されている黒板 |
写真だらけの壁 |
来客の書き込み |
「北京8号学苑」の授業時間、つまり開店時間は毎日午後5時半からで、年中無休ですが、完全予約制となっています。ちゃんと時間どおりに来ないと当日の担当から体罰を受ける恐れがありますので、大人らしい行動を心がけましょう。
店内では80年代末に発売されていたバッタモンファミコン・小霸王を置いてあります。食後、男性客は80後の同輩と熱戦や友情が体験できますし、一方、女性客は砂包や石けりの昔遊びで子供の頃を懐かしむのに十分だと思います。
テレビゲームに夢中になっている |
昔遊び・石けり |
80年代に生まれの「北京8号学苑」の韓桐店長は、「『80後』はそれまでの世代とは全く異なる強い個人性格を持っている。1978年の『1人っ子政策』によって、すべて1人っ子になった。今は各自の持ち場で一人前になったが、毎日単純なことを繰り返していて、心の悩みを話せる相手が誰もいないんだ。『北京8号学苑』はコミュニケーションの場として、また自分の夢を叶えるため造った。頑張って経営したい」と意気込んでいました。
現在、北京市内では「北京8号学苑」のマーラー火鍋店舗が3つあります。2009年2月2日に開業した本店と2010年5月2日にオープンした学校風の支店はともに西単の新建胡同にあります。9月30日に今までとはまた異なる新スタイルのカップル向きの後海支店がオープンしました。
(文章/馬玥 ・ 写真/王帥 ・ チェック/吉田)
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