――ムック誌『知日』の創刊をめぐって
【作家&大学教授・毛丹青さん】
相手を知ることは自らを知ること
画期的なことです。中国人が作った日本を知るた めの雑誌として、これはおそらく史上初の試みではないかと思います。日本のことを取り上げた雑誌はこれまでにも多数ありますが、それらに比べて、『知日』は百パーセント「日本」を専門にしているところが特徴で、私から見れば、快挙だと思います。
この雑誌の誕生は、日本と中国の親密さを物語ると同時に、両国の文化交流を深める上においても大きな意義があると思います。
また、編集部のコアメンバーはいわゆる「80后」世代が中心となっていますが、彼らが、ぼくのような20数年間、海外で生活している中国人とコラボレーションしながら力をあわせて、同じ目標に向けて雑誌作りをするというところに大きな意義があると思います。
――毛さんから見れば、今の中国人の日本理解において一番欠けているものは何だと思いますか。
一言で言えば、日常生活かなと思います。日本人の暮らしぶり、日々の考え、そして人々の魂に触れるものが日常生活の中に溢れているので、それを見つけ出して共有し、理解することが、日本文化に対する理解を深める上にたいへん重要なことだと思います。
――中国の"80后"世代が日本を見る目線にどのような特徴を感じましたか。
大きな話から段々と小さな話に移しつつあることですね。これまで、中国人は"日本"と言いますと、富士山やサクラなど定番にはまったところがありますが、今の若者たちはそれよりもずっと細かいところまで考えるようになっていることが大きな変化です。
この点、私が接した日本人学生の中国へのアプローチの変化と似ていると感じました。ぼくの学生には、三輪車が好きだという単純な理由で、北京で8年間も住んでいる人がいます。彼のやっていることに象徴されるように、何かにハマっているマニア、もしくは「オタク」っぽい人が中日双方で増えているように思っています。
――今の中国にとって、日本を知ることの意義は?
相手のことを知ることは結局、自分自身への理解を深めることです。相手の考えを汲み取って理解し、なおかつ、自分自身のことと合わせて考えることは、中国人の物の考え方を豊かにすることができると思います。
――『知日』に対する今後の期待は?
日本の日常を取り上げつつも、日本文化が生み出された背景を抉り出していき、日本人読者に読んでもらってもハッと思わせるような雑誌作りをしてほしい。中国人による『知日』のパワーを一層確実なものにしてもらいたいなと思っています。(つづく)
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