会員登録

<著作権博覧会>日本国文化庁・大路正浩国際課長

2010-11-20 18:51:55     cri    

著作権保護 強化されつつある中国の姿勢
求められるさらなる国際協力

 50カ国以上の政府筋、著作権関係者の参加を引き付けた第3回中国国際著作権博覧会(18日~21日)では、日本が主賓国として招かれ出展しました。会期中、日本文化の展示を行う日本館の設置や「中日著作権セミナー」など一連のイベントが開かれました。
 中でも、19日に開かれた「中日著作権セミナー」の席上では、「コンテンツビジネスの分野では日本と中国が二大地区になって、全アジアのマーケットを作っていくことが非常に重要だ。マーケットが広ければ広いほど、選択できるビジネススキームが増えるからだ」という業界関係者からの声があがりました。
 広がりつつある両国のコンテンツ産業におけるビジネスチャンスを前に、著作権産業に関する協力の現状はどうなっているのか、また、中国政府の著作権保護に関する取り組みをどのように受け止めているのか、博覧会の参加で北京入りした日本国文化庁の大路正浩国際課長にインタビューしました。

――今回の著作権博覧会では、日本が主賓国として招かれましたね。

 たいへん光栄な立場です。開会式には、日本国文化庁の近藤長官も参加し、挨拶しました。日本としては、今年は主賓国として招かれたこともあり、これを重要なイベントとして位置づけています。日本文化の様々な面を知ってもらう良い機会として、出展等の準備をしてきました。

――今回の出展に関して、とくに心がけていることは?

 今回は日本観光に関する情報のほか、伝統文化や映画、放送、アニメ、ゲームと言った新しい文化も含めて、日本文化の全面的な姿を色々な方たちに見てもらえるチャンスにしたいと思っています。中でも、とりわけ若者向けのアピールを考え、今回色々な出品やコンサートを準備しました。
 たとえば、開会日(18日)の夜に開催されたグローバルコンサートでは、J-POPの人気ユニットSKE48を連れてきて、紹介をしました。J-POPやクールジャパンなどいわゆる「ポップカルチャー」が社会的に人気を集めていることを我々は認識していますが、イベントを通して、若い人たちに関心を持ってもらい、著作権を守ることはこうした文化を守ることにもつながるのだということを理解してほしいなと思っています。

――著作権保護に関して、中国政府の最近の取り組みをどのように受け止めていますか。

 ここ数年、日本と中国は著作権保護に関する政府間での話し合いを定期的に続けています。中国政府は著作権問題に対して「断固として厳しく対応していく」という姿勢を示されています。とくに、ここ1~2年、それが顕著に表れていると思っていまして、それは私としても心強く思っています。ただ、それと同時に、中国は国土が広いので、著作権侵害の取り締まりが隅々までできるかどうか、ということも聞いています。引き続き政府レベルでの協力関係をきちんと確立しながら、今後とも政府に頑張ってもらって、著作権侵害の取り締まりにおいてリーダーシップをとっていっていただければと思っています。

――中日の著作権保護の政府間協力において、最近、とくに問題視されていることは?

 国境を越えたインターネット上の著作権侵害の問題がとくに難しいように思っています。とくに、ISP(インターネットサービスプロバイダー)に違法にアップロードされることにより生じた著作権侵害への取り組みが難しい。国境を越えていますので、日本から権利侵害の申し立てをするとしても、なかなか事実関係を掴むことが難しいし、プロバイダーに対して削除要請をしても、日本側が本当に正当の権利を持っていることを証明する手段が難しいです。特にその点、有効に取り締まる方策について、今後とも協議を続けていきたいと思っています。
 今日の著作権問題は、インターネットでの著作権に代表されるように、国と国とが協力して取り締まっていくことが絶対に必要だと思います。

――最後に、今回の著作権博覧会に参加してのご感想は。

 中国政府に「著作権を大事にしよう」という姿勢が現れており、非常に心強く思っています。また、国が主催したこのイベントにこれだけたくさんの方々が集まって著作権のことを議論する、ということをとても頼もしく思っています。(聞き手:王小燕、写真:馬玥)

■資料

【著作権保護に関する中日の政府間動向】
 2002年 中国国家版権局、日本国文化庁と『中日著作権保護に係る戦略的協力に関する覚書』
     (局長級)に合意
 2005年 中日著作権協議メカニズム開始、毎年会談を行い、相互訪問することで合意
 2009年 日本から著作権保護に関する官民合同ミッションが訪中、両国の会談メカニズム及び備忘録の
     レベルアップを要請
 2010年
   3月 中国国家版権局、日本国文化庁との著作権及び著作隣接権に係る戦略的協力に関する
     覚書(閣僚級)に調印
  11月 北京で開催された第3回中国国際著作権博覧会に日本が主賓国として出展

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS