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滝久雄さん 株式会社ぐるなび取締役会長・創業者(下)

2009-11-30 16:03:49     cri    

情報系産業革命のチャンスをつかむ

日々進化 コンテンツの質で勝負

 




















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 ■「ぐるなび」asナンバーワンの秘訣は?

――「ぐるなび」が発足した1996年は、まだインターネットが日本に登場して間もない頃でした。

  「ぐるなび」は1995年から開発し、96年にスタートしました。完全にWeb2.0型のビジネスモデルです。

 インターネットが出てき���ばかりの時、大抵の情報系メディアは「より便利なツールが出てきた」というWeb1.0型の捉え方でした。しかし、私はそれよりも「情報系に産業革命が起きた」と見定めました。

 かつて、人は情報をとるために高いコストを払っていましたが、それが今では、どんなに学究的な難しい情報でも、インテリジェント携帯あるいはパソコンを通せば引っ張り出せ、情報の価値が最大200円とまで言われています。そういった情報系の産業革命が起きたという判断が決め手でした。  

――時代の動きをいち早く読み取り、直ちに行動に出たことが決め手だったのでしょうか。

 産業革命は百年に一度しかないもの。まさか自分が生きている間に、そのツールができるとは思いませんでした。それまで、ずっとITを追っかけてきた私にとって、インターネットはまさに天の恵みでした。

 また、意識変革を予測する力も求められます。これには、レストランに情報メディアの存在を認識してもらわないと困りますし、ネットユーザー側には、「ぐるなび」を見てからレストランに行くという生活スタイルが浸透するのか、という疑いがあるので、そうなるというふうに見えないのではだめです。つまり、そうした意識や生活スタイルの変化を前倒しにするために、私たちは受け皿としてのプラットホームを提供し、そのお手伝いをしていくということです。

 もちろん、未来を構想し、予想するには、色んな要素を自分にためておくことが前提です。普段から脳の進化を常に考え、あらゆる構想をしていくという連続的な行為が必要なのです。

――「ぐるなび」の創設に、「ホモ・コントリビエント」という考えもプラスに働いたとおっしゃいました。

 ビジネスは人によって作り出されています。社会のためになる、仲間のためになることは自分の喜びになるという考えは、社員の働く意欲につながっています。そういう意味では、両者は無関係ではないです。

 しかし、モチベーションだけで企業は形になるわけではない。やはり、やるべきことはしっかりやり、研究費は使わなければならないし、未来の予測を間違ってもだめなのです。そのため、きちんとしたビジネスモデルの構築が大前提です。

 世界各国で外食の案内システムがごまんと出たが、「ぐるなび」が一番に成長して生き残ったのは、ビジネスモデルが正しかったからだと思います。

――他社の追随を許さなかったコツは?

 最初の4~5年間、「ぐるなび」はまったく儲かりませんでした。やはり、新しい生活スタイルは序についてこないと収益性が上がりません。大器晩成型というか、辛抱強くないと機能して来ないビジネスモデルでした。

 ベンチャーに携わって40年になる私は、「5年ぐらいならお安い御用だ」という気持ちで臨んでいました。現に6年目から黒字転換しました。それが他所なら、そこまで待っていられないのではないかと思います。

――コンテンツの提供で心がけていることは?

 おいしい店の口コミ情報にとどまらず、「今週一番行った人が多い人気の店」など、決定的に情報を入れやすいようにしています。それぞれの店の料理やサービス、料理長などをデイリーに掲載しています。

 つまり、それぞれの店にネット上で競争する場を提供しているということです。ネットユーザーが見やすいよう、探しやすいようにということ以外にあまり注力していません。

 従業員は技術者集団なので、商売が得意でない代わりに、システムを作るのが好きで、どんどんリニューアルすることも好きです。今度、携帯電話が出てくるという変化にも喜んでいます。

 このほか、店に通う営業体制やコールセンターの整備などオフラインの見えないところでシステムがきちんと確立しているので、なかなか後から追いつかないようなトータルシステムになっています。

――現在、7万店の加盟店と650万人の会員を有すという「ぐるなび」。今後、向かう方向をどう見ていますか。

 何よりもモバイル(携帯端末)との取り合いが注目されます。携帯電話の特徴は、24時間持参されていること、そして、居場所が確認できるGPS機能があるため、500m先の人気の店とリコメンデーション(顧客の嗜好を予測する)ができることです。

 オフィスで机に向かって探す時の探し方と、出かけた先で探す時の探し方とて、違いがあります。携帯の普及により、リコメンデーションのトータルシステムも変わってくると思い��� す。また、特定顧客のデータベースに基づいたリコメンデーションも始まると思います。

――変化への対応を常に心がけているということですか。

 日々進化です。「ぐるなび」社では、「私どもは皆さんの知恵を借りて進化している。毎日進化し続けている」ということを毎日、全員で斉唱しています。

 進化がビジネスの条件です。安定期は別として、今は情報 系の変化が大きい時期なので、止まったらすぐに追い抜かれます。   

■中国進出のきっかけと期待

――2005年11月、「ぐるなび」は「咕嘟妈咪」(gudumami)の名で上海サイトを開通しました。進出を決めた理由は?

 私は30年の中国との付き合いを通して、中国の女性はもしかして日本人女性と比べて、あまり食事は作らないのではないかという「疑問」を抱いていました。

 一方、日本は外食が盛んになったのは大阪万博以降だったので、そうすると、中国の大衆から見る外食の大発展は上海万博以降か、というのを今から5年前に思っていました。そのため、一日もはやくまずスタートしなくちゃ、というのが進出の理由です。

 上海のサイトでも、お店とユーザーの両方に使いやすいシステムを貸すという考えです。これは情報系の社会的使命ととらえています。真面目にやっていけば、かならず浸透すると信じています。

 ただ、中国の女性は料理を作るのが急に好きになり、あまり外食にいかなくなったということになれば、話は別ですが(笑)、何せ入れ物は日本より10倍も大きいから、何とかなるではないかと楽観視しています。

――中国では今、大都市を中心にレストラン案内のサイトは増えつつありますが…

 私たちはあくまで、コンテンツの質を重視しています。一番大事なのはリアルタイムであること。そして、メニューや料理長の工夫などを正確に伝えることです。

 口コミは、初めての人にとってはとても重要な情報なので、「咕嘟妈咪」もどんどんそこを追加しています。ただ、それにとどまることなく、「今日、この店でこういうサービスがある」とか、「今、どういう料理がトレンドになっているのか」を店に確認したり、店にも情報を入れてもらったりしています。タイミングによっては、クーポンももらえます。こういったところで差別をつけようとしています。

 ユーザーは色んなサイトを使っていますが、上海では最後はみなさん「咕嘟妈咪」でチェックすると聞いています。

――中国の加盟店やユーザーはこれからも増え続けていくと見ていますか。

 これは若い人たちの仕事です。ぼくはビジネスモデルや企業理念からずれているということは指摘するが、中身をやるのはスタッフです。平均年齢は30歳ちょっとなので、この若さじゃないでしょうかね。

■若者、志を高く持て

――最後に、ご自分の人生経験の中から、とりわけ若い人たちに伝えたいメッセージをお願いします。

 情報系が日々進化している中、若い人たちは新しいことを構想する力、今でいう「地頭力」、自分で考える力をつけることがとっても重要になっています。

 私が新入社員に対して求めていることは、「3年後に『ぐるなび』をやめてもっと良いところを目指さないと意味がない。だから、3年後にやめるつもりで頑張れ。この間、いかにして脳を進化させるかが勝負だぞ」です。もちろん、進化した部下たちをまたここで働きたいと思わせるよう魅力を如何に作り出すかが、経営陣の責任ですが…

 人間の脳細胞は使っているかぎり、まったく老化しない。脳は価値を感じて動くので、若い人は志を高く持って、最善を尽くして頑張ってほしいです。(聞き手:王小燕)

【プロフィール】


滝  久雄さん
 1940年東京生まれ。東京工業大学理工学部機械工学科卒業。財団法人日本交通文化協会理事長、株式会社NKB取締役社長、株式会社ぐるなび取締役会長・創業者。
 
東京工業大学経営協議会委員、東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科客員教授、東京大学生産技術研究所 脳科学研究 顧問研究員、京都大学大学院工学研究科非常勤講師。

社団法人蔵前工業会副理事長
総務省 情報通信審議会委員
国土交通省 YŌKOSO! JAPAN 大使

1999年 運輸省 交通文化賞受賞
2003年 東京都功労賞受賞
2007年 社団法人蔵前工業会 第一回蔵前ベンチャー大賞受賞
2008年 社団法人日本広告業協会功労賞「経済産業大臣賞」受賞
2009年 The Harvard Business School Club of Japan
Entrepreneur of The Year Award For2009受賞

著書
『貢献する気持ち -ホモ・コントリビューエンス-』(紀伊國屋書店)
『ぐるなび「No.1サイト」への道』(日本経済新聞社)
『私はこう考える』(滝語録刊行会)

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