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大野清司さんのテレビ人生 その③

2014-09-23 22:01:15     cri    

 聞き手:王小燕

 時は1986年。所は北京空港の到着ロビー。日本と北京を結ぶフライトはまだ便数が少なく、到着の時間帯も集中していたため、空港でばったり知人に出会うことはしばしばあります。そんなある日、ディレクターの大野さんがばったりすれ違ったのは、それまで仕事で良く付き合っていた中国中央テレビ(CCTV)の外事処の課長さんでした。

 当時の大野さんはまだ30代後半でしたが、それまでに、何度も中国へ撮影に来ていました。中でも、万里の長城の撮影は5~6回を数えていました。そんな大野さんは、大きな構想をずっと温め続けていました。それは、ばらばらに点在している長城を西の端から東の端まで全部撮影して、ドキュメンタリーにすることができないかという「大胆な発想」でした。

 「NHKが制作した『シルクロード』と『大黄河』が人気を呼び、残ったのは万里の長城ぐらいしかなかった」という焦りが、大野さんにありました。

 ところが、日本のテレビ関係者が大きな情熱を注いだこの共同制作は、企画書の提出から完成、放送までに、何と5年もの歳月を要しました。日本では放送が大きな話題を呼び、何度も再放送され、中国でも、当時撮影したドキュメンタリーは後に、中国のドキュメンタリー制作の歴史において、一里塚的な意義を持つ重要な地位を占めました。

 完成までの紆余曲折と、日本側の案内人である緒形拳さんをめぐるエピソードなど、ここでしか聞けない制作秘話があります。どうぞお聞き逃しのないように。


1987年、『萬里の長城』の件で
河北テレビ局に打合せに行った時の大野さん(左2)

 
1989年9月、『萬里の長城』の関連番組の撮影で北京に来た時、
CCTVの長城撮影班スタッフと乾杯する大野さん(左1)

【プロフィール】

 大野清司(おおの きよし)さん

 1949年、東京都生まれ。
 東京大学卒業後、1974年に株式会社TBS映画社(現社名:TBS VISION)に入社。主にドキュメンターリ番組のディレクター、プロデューサーとして番組制作に係わる。特に、1979年からは海外取材番組を担当し、世界60ヵ国を取材。

 【主な担当作品】

 ・『美をもとめて』シリーズ、『世界の子供たち』シリーズ
 ・『世界めぐり愛』シリーズ、『世界遺産』シリーズ
 ・『遥かなるアンコールワット』、映画『敦煌』公式記録VTR
 ・中日共同制作『萬里の長城』(日本TBS&中国CCTV)
 ・TBS開局40周年記念番組『日本海大紀行』
 ・『緒形拳:シルクロード列車の旅』
  その他、多数

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