昨日、国際放送局で映画鑑賞会がありました。バスを連ねて近くの映画館へ見に行ったのは、この冬の話題作、馮小剛監督の『1942』。抗日戦争中の1942年に河南省を襲った干ばつと蝗害による飢饉を描いた作品です。
映画が始まってすぐ、原作・劉震雲『温故1942』と表示され、あっと思いました。劉震雲はやはり馮監督が映画化した小説『手機』などで知られる作家ですが、私はこの『温故1942』という本は持っていて、読んだこともありました。ただしもう何年も前のことで、河南省の飢餓について書いてあったという以外ほとんど記憶がありません。(年のせいにしてはいけませんが、最近、本を読んでも次から次へと忘れてしまい、この前などは、3分の1ほど読み進んでようやく、「あれ、これ読んだことある」と気がついたくらい。ひどいもんです)
映画の『1942』は、故郷の村を捨て西へ西へと流れていく飢えた人々を軸に、重慶政府の蒋介石や地元河南省の省長、国民党軍の現地司令官、中国人牧師と外国人宣教師、飢餓の様子を報道するアメリカ人記者などといった人々のエピソードがくり広げられていきます。主人公は、初老の夫婦と妊娠中の嫁、娘、下男の5人で流れて行く地主の一家。途中で一人、また一人と死んでいき、最後は…。
2時間20分もある大作ですが、途中まったくダレることもなくぐいぐい引っ張っていくのはさすがでした。(大野清司)
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