今月、借りている部屋の契約期限が切れます。中国では賃貸期間はだいたい1年なので、毎年更新作業が必要です。そして日本では更新のたびに賃貸料金が上がるというのは、あまりないと思うのですが、ここ北京では毎年、毎年上がっていきます。不動産価格が上昇し続けているのですね。私もなるべく値上げを阻止しようと、大家さんとの交渉のために作戦を練っていたのですが、あっさり「もう貸さない」と断られてしまいました。どうやら売却するらしいのです。北京では投機目的での不動産購入を制限するため、あの手この手の規定を実施するのですが、これが投機目的でない人たちにも影響しているのです。今回も新たに規定が変わるようで、「今こそ売らねば」とか「今こそ買わねば」と思う人たちが右往左往しているのです。こんな感じですから、中国で賃貸で暮らすことはまあ、ものすごく落ち着かないわけです。中国の人がなんとしてもマイホームが欲しいというのも当然のことなのです。

　そんなわけで今月は中国へ来て、5回目の引越しです。（吉野綾子）