万里の長城と40年
車中から見た居庸関長城
先週末、河北省の張家口へ行く途中、久しぶりに万里の長城を通過しました。車中から長城を眺めながら、そう言えば最初に長城を見たのは40年前の今頃だったなと思い出しました。
北京に戻ってから調べたら、実際は1972年の7月23日に八達嶺長城を見学していました。40年前の夏、学生訪中団の一員として香港から深圳に入り(当時の深圳は何もない田舎町でした)、20日間にわたって広州、南昌、上海、無錫と北上して最後に北京に着き、初日に万里の長城の見学に来たのです。
その時初めて見た万里の長城に感動し、その後、1981年からテレビの撮影で来るようになってからも、毎年のように各地の長城を撮影してきました。
1990年から1991年にかけては、俳優の緒形拳さんと一緒に中朝国境から敦煌の砂漠まで万里の長城に沿って旅をしました。
潘家口ダム湖に水没した喜峰口長城を水中撮影したこともある
私は長城が大好きです。万里の長城は、どこで何度見ても、本当に飽きることはありません。
北京の周辺では、山の尾根に延々と長城が延びていきます。それは、よく龍に例えられますが、本当に不思議だと思います。山の景色としては大したことはありません。しかし、そこに1本、長城があると、風景は一変します。山の彼方へ視線を向け、どこまでも続く長城を目でたどると、何か長城に沿って自分の気持ちもどこまでも広がっていくような気がします。
山の尾根をどこまでも続く長城(北京西北郊外蓮花山付近)
長城は、いつもその時その時の表情で歓迎してくれます。これからも、きっと何度も何度も長城へ行くのだろうなと思います。(大野清司)
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