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日本人スタッフのつぶやき156―映画「倩女幽魂」

2012-06-04 15:48:49     cri    

 皆さんは最近映画をご覧になりましたか。

 普段はあまり映画を観る機会が少なかった私ですが、今回この夏に日本で開催される「ネットで観る中国映画祭」の内の一本の映画の日本語字幕を担当することになり、久しぶりにじっくりと映画を見ました。

 この映画は1960年に制作された「倩女幽魂」というもので、その後何度もリメイクされ、その中でもレスリー・チャンとジョイ・ウォンが主演した80年代後半の作品「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」があまりにも有名になりましたが、今回はその原型となる珍しい作品です。

 物語は明から清の時代に入ろうとする混乱期に、主人公と美しい女性の幽霊が織りなす心のひだを描いています。1960年代だけにさすがに男女の激しさはなく、古典的な情感のタッチとなっていますが、これがまた奥ゆかしくて結構のめり込んでしまいます。そして、この映画はかなりオーソドックスな怪奇映画として作られており、全編にわたって怖さも醸し出され、この夏に観る映画としてはぴったりです。

 画像もデジタル・リマスターのおかげで1960年制作とは思えないほど、綺麗なものに仕上がっています。

 また、この作品は1960年の第13回カンヌ国際映画祭にも出品され、残念ながら受賞は逃しましたが、女幽霊役の往年の香港スター女優、ロー・ティ(樂蒂)は「中国で最も美しい女優」と賞賛されました。

 皆さんもぜひこの機会に、中国の古典文学で知られ、今でも映画化が絶えない小説「聊斎志異」を原作にしたこの作品を存分に味わってみてはいかがでしょうか。

 私事で恐縮ですが、私は家の事情で日本に戻ることになり、このつぶやきが最後となりました。今までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。これからもこの日本人スタッフのつぶやきやCRI日本語部へのご声援をどうかよろしくお願いいたします。(小野 博民)

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