今回の１枚の写真。

　北京の地下鉄１号線。市内の東西を結ぶ幹線です。観光地で知られる天安門や王府井、商業施設が多い西単の駅があり、朝夕の通勤ラッシュだけでなく終日混雑するのが特徴です。一方、９号線乗り換えひと駅で、北京西駅とつなぐため、大きな荷物を持った方も多く、東京の地下鉄のラッシュとは少し違った光景が見られます。「で、これは？」と目を疑ったのが、この写真。大きなクマさんの親子（ぬいぐるみ）を連れた若者。ドアから入るのも大変でした。荷物に慣れた北京市民の視線も釘付けです。クマさん親子が汚れないようにと、若者は持ち上げたり下ろしたり。大きすぎる乗客に、最初はいぶしがっていた人たちも、微笑ましい光景に、自然と笑顔に変わりました。そういう私も、大変そうだと同情しなながらも、改札口の荷物検査機には入らなかっただろうな、と想像しながら、笑いがこみあげて…。　　

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　さて、北京はこの冬、雪や雨が少なく、乾燥した日々が続きました。18日朝、外を見ると、一面真っ白。シーズン最後かもしれない雪と思い、さっそく、"冬のにおい"を感じに外に出ました。木の枝に真綿のような白い雪。つい、風に吹かれながら舞い落ちる日本の粉雪を懐かしく思います。

　「雪、降ったの？」。昼頃、起きて来た妻。「雪だるま、雪だるま」と、はしゃぎますが、冷え込んだとはいえ、もう春はもうすぐそこ。つかの間の、なごり雪。「じゃあ、買い出し買い出し」と切り替えの早い妻。北京での日常に戻り、「ここに来てよかった」と長くて短かった１年を思います。 　　　　　　　　　　　　　　　　　

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　北京市の住宅には床暖房が付いています。ウチの場合、使用料は大家さんが払ってくれています。ほとんどエアコンアいらずで、助かります。暖房期間は今月15日まで、ということでしたが、冷え込みが予想されたため、３日間延長されました。まさに予想通りの結果にびっくり。期間調整規定の初適用だそうで、延長期間の市民負担はない、ということでした。ライフラインの大事さ、痛感します。（山下哲弥）