4月14日 ぶつぶつ交換
(カラフルな旗のような玩具)
私には今年4つになる娘がございます。
先週の土曜日のことでした。
「コレ若」シリーズ(「これからの中日交流を支える若者たち」の略でございます)の取材のため宣武門の劇場で娘と観劇致しましたところ、お利口に観劇していた娘のおなかがコロコロっと可愛らしく空腹をご主張でいらっしゃいました。
そこで取材後お向かいにございます昔懐かしい雰囲気の喫茶店を目指しておりますと、道途中の新聞販売スタンドで娘が珍しくおねだりをいたしました。
「奥特曼」と書かれたその雑誌。
そう、日本語では「ウルトラマン」でございます。
スタンドのご主人が「バービー」や「リトルプリンセス(ディズニー)」などをお勧めしてくださいますも、娘は「ウルトラマン」に釘付けでございました。
お子のこうした不可思議な振る舞いには、いつもその後驚かされることが多々ございます。
たどり着きました喫茶店、そこには娘より2つ3つお年が上かと思われる男のお子がいらっしゃいました。
そのお子は、お父上と見られる殿方と共に喫茶店の外でなにやら細長い色とりどりの旗のような玩具でお戯れでございました。
すると娘もその中へ。
お父上と見られる方が「私が遊んでいますから、どうぞご一服なさってください」と申されますので、私はすっかりお言葉に甘えさせていただくことに致しました。
(中国では、いつもこうしてお店の方がお子の面倒を見てくださいますものですから、母親にとっては非常に有難いお心遣いでございます)
帰りのことでございました。
「帰りますわよー」とお外に出ますと、駆け寄ってきた娘の手には、先ほどまで遊んでいた細長い旗のような玩具。
「返していらしてね」と娘に諭しますと、「小妹妹が気に入ってるから、あげるよ」と男のお子。
「まあ、とんでもございません」とお父上と見られる方に申しますと、「是非に」と。
それでは、と有難く頂戴いたしましたところ、今度は娘が「ウルトラマン」の雑誌を差し出したのでございます。
なんとまあ、娘には彼との出逢いが見えていたのでございましょうか。
「素敵なぶつぶつ交換ですわね」と私が申しますと、周りでご見物あそばせた見知らぬ大人たちからも、優しげな微笑が漏れておりました。
――一期一会、善哉(よきかな)。 (中原美鈴)
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