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北京在住の日本人女優 武藤美幸さん

2010-03-22 14:53:28     cri    

 2008年の北京オリンピックも成功に終わり、今や脅威のスピードで発展し続ける北京。そのスピードを肌で感じながらまた、失われつつある「古き良き北京」の風景を懐かしみながらまっすぐ前を向いて、力強く大陸の地を踏みしめている日本人女性がいる。

 女優の武藤美幸さんだ。彼女は日本人でありながら異国の地「中国」で、これまた「女優業」という無謀とも言える挑戦をし続けている。そのキッカケ自体も非常にドラマチックであり、そのままドラマになりそうなストーリーを地で行っている。そこも彼女の「女優運」なのかもしれない。今回はCRI中国国際放送局日本語部のスタジオに武藤さんをお迎えしてインタビューをさせて戴いた。

 2001年11月武藤さんは「時の香り~リメンバー・ミー~」という映画でデビューする。このとき、彼女はまだ自身のすぐ目の前に「中国」という異質の舞台が待ち受けていることを知る由も無かった。それまでの彼女は中国にも中国語にも中華料理にも特別な縁は無かったのである。しかし、事態は突然に展開する。2002年に訪れた北京旅行で知人に楊陽監督を紹介され、そのまま中国のテレビドラマの準主役(日本人役)に大抜擢されたのである。それが2004年12月に放送された中国の高視聴率連続ドラマ「記憶的証明」だ。ここで普通の人間であれば、中国を一つの活躍の舞台として残しつつも日本での生活に戻るだろう。しかし、彼女は「北京に移住して女優として生きる」というまさにドラマの様な人生を自ら選択するのである。

 インタビュアー(以下イ):その後、活動の場を中国に移そうと思ったのは何故ですか?

 武藤:中国のドラマ市場では「日本人役」というポジションが常に必要。でも日本人の役者はあまり中国にはいなかったんですね。そこに可能性があると感じたんです。まあ、今から考えるととっても無謀ですよね!

 イ:中国に来る前と後では何か中国に対するイメージは変わりましたか?

 武藤:変わった…というよりは、来る前は中国のことをあまり知らなかったんです。まっさらな気持ちで来たと言うのが正しいですかね。中国は人がすごく活き活きしていて、パワーをもらえると思いました。

 イ:中国で数々のドラマに出演されていますが、日本との違いや印象に残っているエピソードなどはありますか?

 武藤:一番の違いは、スケジュールの切り方ですかね。日本の場合は放送日が決定してからスケジュールを細かく出して撮影していきますが、中国では何でも直前に決まることが多くて前日の夜中の12時になっても明日、何を撮影するか決まっていないことが多々有ります。

 イ:それにはもう、慣れましたか?

 武藤:…いやっ、大変ですねー(笑)。それから撮影の過酷さは日本以上かなと思います。例えば去年、真夏に黄砂が舞う場所で撮影していたのですが、一日中撮影して全身砂だらけになって宿舎に帰ったら、お湯も…水さえ出なくてお風呂に入れないことがありました。また、サソリが出る場所での宿泊で、何人か刺されてしまった人もいて・・・。生命の危機を感じましたよ!寝るときも蚊帳などを自分で用意して身を守りました。その他、その土地の水や食べ物が合わなくて撮影中に倒れたりというのもありましたね。でも、そんな過酷な撮影生活を数ヶ月間共にした共演者やスタッフとは強い絆が生まれて、まるで大きな家族みたいになれるんです。撮影が終わってもずっと繋がっていられます。

 イ:それでは武藤さんの目線から見た中国とはどんな国ですか?

 武藤:エネルギーに溢れている!!それから中国では日本人女性受けがいいと思いますよ!

 イ:では、日本とはどんな国だと思いますか?

 武藤:物質面だけでは無くて、全てが豊かな国ですね。そして誘惑が多い国です…(笑)

 イ:現在中国での活動を継続しながら日本でも活動を再開しましたが、それはどんな思いからでしょうか?

 武藤:中国での活動は「日本人役」という風に役どころが限定されてしまうことが多いんですね。これからはもっと色々な役に挑戦したいと思うので日本での活動を再開しました。

 イ:今後の夢や目標は何ですか?

 武藤:中国の映画に出たいですね!好きな監督はチャン・イーモウ(張藝謀)監督です!いつかチャン監督とご一緒したいですね。

 昨年既に撮影を終えたドラマが今年中国で放送される。中国人役でしかも1970年代の農村の女性だという。今度はどんな演技で私達を楽しませてくれるのか、期待したい。

 彼女がこの数年間で積み上げてきた「日中の架け橋」や「中国の日本人女優」というポジションは揺ぎ無い物になったであろう反面、その枠だけではもう彼女には小さすぎる。今まさに彼女自らが限定を乗り越えてまた新たなステップを探し始めたのではないだろうか。屈託の無い笑顔の中にそんな思いが見えた気がした。

 「中国の日本人女優」ではなく「女優武藤美幸」として彼女はこれからも歩き続けるだろう。(インタビュー:闵亦冰、丹羽麻衣子 文:丹羽麻衣子)

 

 ※武藤美幸さんプロフィール

 2004年5月より中国北京に活動の拠点を移し、中国のテレビドラマ、映画などで活躍中。

 武藤美幸オフィシャルブログ

 「明天会更好~明日はもっといい日!~」

 http://ameblo.jp/miyuki-mutoh2009/

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