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日本で活躍している中山幸治さん(華僑)

2009-11-12 15:40:11     cri    

蚊取線香の「キンチョウ」で ヒット商品づくりに取り組む!!

 中山幸治(大日本除虫菊(株) 取締役中央研究所所長)

 中山幸氏は1949年中国上海市生まれ。77年上海華東師範大学化学科卒業。84年来日。85年日本文部省国費奨学生として、筑波大学化学研究科博士課程に入学し、89年同大で理学博士学位を取得。同年サントリー(株)に入社し、医学研究所勤務。94年大日本除虫菊(株)入社。研究室長を経て、00年中央研究所所長。05年取締役中央研究所所長。ヒット商品を数多く手がけ、08年「虫コナーズ」は日本商業新聞で年度ヒット商品1位に選ばれた。そのほか、中国農薬学会の顧問や大学の客座教授などを務める。

 「ニッポンの夏、キンチョウの夏」ということで、夏といえば蚊取線香の独特の香りを思い出す人も多いはず。その「キンチョウ」で社内"ヒットメーカー"と呼ばれる中国人がいる。その人は中山幸治さん。中国から帰化した新華僑だ。さっそく、その活躍ぶりに張国清北京放送東京支局長がズームイン。この記事は日本東方通信社発行の月刊誌「コロンブス」9月号に掲載されている。

 張国清:たしか49年の生まれですね、だとすると下放された世代ですね。当時、文化大革命の時期には、多くの若者たちが地方での農作業に従事させられましたが、中山さんもそのひとりですか。

 中山幸治:私は高校1年生のときに東北地方である黒龍江省に行きました。マイナス42度という極寒の地でしたが、それでも4年半ほど農作業を行って小麦などを栽培しました。私がいた農場には8000人もの若者が生活しており、みんな上海など都会の出身者でした。

 張:どんな生活でしたか。

 中山:まず、朝は具の入っていない黒い饅頭をひとつとお湯を一杯もらいます。そして、その饅頭を食べてから、わずかなお湯で体を洗ったりするわけです。それから、1時間ほど歩いて作業所のあるところまで行き、陽が沈むまで農作業をつづけます。厳しい日々でしたが、振り返ってみるとあの日々のおかげで、忍耐力や精神力を身につけることができたように思います。

 張:下放の間も勉強はしていたのですか。

 中山:もちろんです。いつかは大学に入学したいと思っていましたから。なかには、過酷な環境のせいで勉強を諦めてしまう人もいましたが、私はけっして諦めませんでした。その姿勢が良かったのか、私は農場側から推薦され、大学受験が許されたのです。そして、夢が叶って73年に大学に入ることができたのです。

 張:それから、どのような経緯で来日したのですか。

 中山:大学では化学を学んでいたのですが、その一環として除虫菊という殺虫成分を持った菊の研究をしていました。その際に「キンチョウ」で知られる大日本除虫菊(株)と共同研究をする機会に恵まれたのです。そして、当時の大日本除虫菊の中央研究所所長に、日本に留学してみてはどうかと誘われたのです。以来、先端の研究に触れたいと思うようになり、中国政府の援助を受けて留学することを決意したのです。

 張:そして、留学後に日本で就職することになったわけですね。最初はどういった仕事をしたのですか。

 中山:まずはサントリーの医薬研究所で働くことにしました。しかし、それから4年とチョットが経ったときに、会社から海外営業部門への転勤辞令が出ました。私としてはやはり研究をつづけたいという意志がありました。そんな折、大学の頃に共同研究でお世話になった大日本除虫菊の中央研究所所長から「研究をつづけたいのだったら、うちに来ないか」と誘われたのです。正直、そろそろ中国に帰りたいという思いもありましたが、悩んだ末に日本で研究をつづけることにしました。

 張:以来、研究員として活躍をつづけ、今では中央研究所所長に就任していますね。これまでにどういった商品を開発してきましたか。

 中山:中央研究所を任されてからは、虫除け剤「プレシャワー」や「ダニよけハーブ」、電池式蚊取り「おでかけカトリス」といったヒット商品を手がけました。おかげで朝日新聞やテレビ番組「ガイアの夜明け」などの取材を受けました。そして、これは最近の話ですが「見えない網戸」というキャッチコピーで「虫コナーズ」を売り出したところ、これが大ヒットしたのです。これは電気や熱を必要としない商品で、50億円もの売上げをあげました。従来の商品が除虫効果のある薬品を加熱していたのに対し、この商品は薬品を気化させるというものです。そのため、電気や熱がいらずエコというニーズにピッタリとハマッたわけです。

 張:そういった斬新な着想は、どういったところから湧いてくるのですか。

 中山:それはやはり毎日のマーケティングの成果だと思います。たとえ土日、祝日であっても、店頭を見て歩き、商品を手に取る客層や店員からのニーズを聞いて回りました。それが製品開発に役立っているのです。 

 張:中央研究所所長として、従業員のマネジメントで注意している点はありますか。

 中山:日本の社会は必要以上にアメリカの手法を取り入れようとしています。しかし、日本の企業にはいい風土がたくさんあります。たとえば、連帯感の強さです。事実、私がここまでやれたのは、会社や同僚、家族の力があってのものです。ですから、私もそういった連帯感を大切にできるような、環境づくりに努めています。また、日本人が持っている高い技術力と勤勉さは世界的に誇れるものだと思います。が、一方で創意についてはいまひとつといったところがあります。そこで、私は研究員たちに競争意識を持ってもらえるように、チームをふたつに分けてアイデアを出し合ってもらうようにしました。すると、今までの何倍ものアイデアが出てくるようになったのです。

 張:今後の目標についてお聞かせください。

 中山:日中間で家庭用殺虫剤などに関する学術交流をすすめていきたいと思います。それから、マラリアやデング熱など蚊を介した感染症に悩んでいる国や地域にキンチョウブランドを広めたいですね。

 張:キャッチコピーの「ニッポンの夏」が「世界の夏」に変わる日も近いかもしれませんね。本日はありがとうございました。

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