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日本で活躍している陳祖明さん

2009-05-20 12:59:18     cri    

新華僑が安くておいしい点心で 横浜中華街に新風を巻き起こす!!

 横浜中華街で安くておいしい点心の店として話題を呼んでいる中国料理世界チャンピオンの店「皇朝」。(有)ミック代表取締役の陳祖明さんがその店の経営者だ。現在、この不況下にも動じず、10数店舗を切り盛りしている。さっそく、その秘ケツについて聞いてみた。

 陳祖明(ちん・そめい チェン・ズーミン) ミック代表取締役 〈プロフィール〉 1970年生まれ。88年来日。日本で中華の修行を積んだ後、オーナーシェフとして独立。日本人の味覚に合う中華料理を探求し、食べやすいサイズの肉まんを開発。04年横浜中華街に中国料理世界チャンピオンの店「皇朝」をオープンし、現在に至る

 取材は、張国清中国国際放送局東京支局長である。この記事は東方通信社発行の月刊誌・「コロンブス」2009年4月号に掲載されている。

 張:陳さんはいつ来日したのですか。

 陳:来日して21年目になります。来日したときは17歳でした。日本語はまったくダメで、まさに右も左もわからない状態でした。

 張:どのような思いで来日したのですか。

 陳:当時は周恩来氏と田中角栄氏によって、日中国交正常化がなされた時期でした。おかげで、一般の中国人も日本に行くことができるようになりましたし、日本では、中国人留学生の受け入れがはじまったりしました。つまり、中国人にとって日本が身近になったときだったのです。その流れに影響されて、私のなかで先進国である日本で、いろんなことを学んでみたいという思いが、強くなっていったのです。  ちなみに、私のふるさとである福建省は蕫華僑のふるさと﨟として有名なところです。現に、日本にも福建省出身の華僑が多くいます。とくに長崎や神戸の中華街は、福建省の華僑の割合が高いです。そういったことも影響したのかもしれません。  

 張:日本に来てからは、どのような苦労を経験しましたか。

 陳:本当に言葉のことでは悩みました。中国で日本語の勉強をしたわけではなかったので、来日してから初めて日本語を勉強しはじめたのです。そのため、昼は東京・原宿の日本語学校で勉強し、夜は横浜中華街で働くという毎日でした。

 張:ということは、来日してすぐに中華街で働きはじめたわけですか。

 陳:親からの仕送りをアテにしたくなかったので、すぐに働くことにしました。とはいえ、17歳の私は料理をしたこともなかったので、最初は皿洗いばかりをやっていました。それに、賄いで出されるカレーライスも、初めての経験で最初は戸惑いました。しばらく食べきれないでいると、料理長から「カレーライスを食べるまでは、ほかの賄い料理は出さない」といわれ、何とか食べられるようになりました。こうやって徐々に日本に馴染んでいったのです。今ではカレーライスは好物のひとつになりました。

 張:料理に関してはアルバイトをしながら学んだのですか。

 陳:そうです。とにかく2時間かかる皿洗いの仕事を1時間で終わらせ、先輩たちの仕事を手伝ったり、見せてもらったりして料理を学びました。日本に来たからには、わずかな時間でも大切にしたいという思いがあったからです。

 張:最初の店を持ったのはいつですか。

 陳:来日して4年目の92年に中華料理店をオープンしました。自分が学んだノウハウを生かせるのは、料理店しかないと思っていたので、迷いはまったくありませんでした。店をオープンするにあたっては、親戚や中華街の先輩たちに協力してもらいました。とくに、もともと中華街にいる華僑の方たちには、土地・建物などに関して非常にお世話になりました。

 張:中華街をはじめとして、関東圏内に店舗を出店しているそうですが、現在は何店舗あるのですか。

 陳:点心の専門店である「皇朝」は、関東圏内に10数店舗あります。それから関西には、フランチャイズの店舗がふたつあります。

 張:店のコンセプトについてお聞かせください。

 陳:当初はフツーの中華料理店を経営していたのですが、ある日、日本には点心があまり普及していないと感じて、「皇朝」をオープンすることにしました。肉まんや餃子などは一般的ですが、中国の点心はそれだけではありません。もっと日本の人たちに、中国の食文化である点心のことを知ってほしいと考えたのです。そして、私は中国の最高の調理資格「特級点心師」を持った世界チャンピオンたちを招き、最高の味を日本の人たちに伝えることにしました。

 張:日本で点心を普及させるにあたって、どのようなことに注意していますか。

 陳:品質はもちろんのこと、価格にもこだわっています。というのは、日本の点心はチョット高いような印象を受けるからです。私はあくまで多くの人においしい点心を提供したいと考えているのです。ですから、通常であれば中華街の肉まんは200~400円程度ですが、当店の肉まんは味と食べやすい大きさのバランスを考慮し、90円で販売しています。それから品揃えにもこだわっています。つねに40~50種ほど用意することで、お客さんに選ぶ楽しさを感じてもらっています。

 張:どうやってそこまで単価を下げることができるのですか。

 陳:私の会社では、店舗や仕入れの一元管理システムを導入し、余計な経費を抑えています。そうすることで、質を保ちながらコストパフォーマンスの高い商品を提供できるのです。

 張:不況がつづいていますが、影響はありますか。

 陳:やはり、中華街に来るお客さんの数は減少しています。事実、中華街全体の売上げも落ち込んでいます。しかし、私はこういうときだからこそ商機があると確信しています。今のうちに、サービスや店舗管理の向上に努めておくべきだと考えているのです。そして、この不況が終わったら、さらに店舗展開をすすめていきたいと考えています。

 張:これからも新華僑ならではのバイタリティーで、がんばってください。

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