京劇と武術、気功を通じて 日中文化交流の架け橋になりたい!!
張紹成さんは中国で第一線の京劇俳優として活躍してきた。が、19年前に来日して以来、日本で京劇の公演やワークショップを展開しつづけているという。また、武術や気功といった分野でも活躍しているそうだ。はたして、張さんはどのような思いで日本で活躍しているのだろうか。
張紹成さん 京劇俳優
1962年生まれ。10歳から京劇俳優養成の最高機関である中国戯曲学院で京劇を学ぶ。その後、中国最高峰の劇団「中国京劇院」の主役俳優となる。京劇団の主役俳優としての公演のほか、京劇映画「挑滑車」やカンフー映画、テレビドラマに出演。86年「中国京劇院」来日公演に出演。89年市川猿之助のスーパー歌舞伎との合同公演「リューオー(龍王)」に出演 。90年日本に拠点を移し、92年日本初のプロ俳優による京劇団を主宰。日本各地での公演活動を中心に文化講座などを行う。大阪樟蔭女子大学の非常勤講師、日中文武会副会長を務める
取材は、張国清中国国際放送局東京支局長である。この記事は東方通信社発行の月刊誌・「コロンブス」2009年7月号に掲載されている。
張:張さんは10歳のときに京劇の最高学府「中国戯曲学院」に入学していますが、どのような経緯で京劇の道を目指すことになったのですか。
張紹成:私は子どもの頃から京劇俳優を目指していたわけではありませんでした。中国戯曲学院の先生たちが中国全土の小中学校を役者の卵を探すために訪ね回っていた時期があるのですが、そのときに選ばれたのです。
張:どういった選考基準だったのでしょうか。
張紹成:やはり顔立ちや体つきを入念にチェックしていました。おそらく大人になったときの顔や体格を予想しながら選考したのだと思います。こうして全国から大勢の子どもたちが集められ、さまざまな試験が行われました。最終的には私を含めて103名の子どもたちが入学することができました。
張:入学してからはどうでしたか。
張紹成:きびしい練習の日々がつづきました。先生からは口で教えられるというよりは、棒で叩かれながら教えられるといった感じでした。基本の柔軟、芝居ができるまでの練習(歌、台詞、立ち回り、踊り、とんぼかえりなど)が大変で、実にきびしい修行の9年間でした。辛いと思うこともありましたが、全寮制でしたし逃げ場はどこにもありませんでした。週に一度は家に帰ることができたので、そのときが唯一、心が休まるときでした。
張:そういった努力の末、京劇劇団「中国京劇院」に入ったのですね。
張紹成:努力をしたのはもちろんのこと、運も良かったのだと思います。おかげで、中国京劇院で有名な諸先輩たちとともに、さまざまな演目に挑戦することができました。
張:ところで、張さんは京劇のほかにも武術を行っているそうですね。
張紹成:祖父が有名な武術家だったので、子どもの頃からよく指導を受けていました。京劇を学んでいる間も、家に帰るたびに習っていたほどです。以前は武術の腕を買われて、カンフー映画に主演したこともあるんですよ。ある日、映画の製作部から電話がかかってきて、映画に出てもらえないかという相談があったのです。中国京劇院でもいろんな俳優が候補にあがったそうですが、武術の心得がある人間がいなかったらしいのです。その映画は評判もよく、今でもテレビでときどき再放送されているようです。
張:それほど活躍していながら、どうして日本に来日したのですか。
張紹成:80年代に公演で2回来日して、『孫悟空』や『白蛇伝』などを演じたのですが、そのときの観客の反応に手応えを感じました。終演後のカーテンコールは実にあたたかいものでした。また、『龍王』という演目では、歌舞伎俳優の市川猿之助さんなどとの共演機会もあり、日本文化にも関心を持つことができました。そうして、しだいに日本という新しい舞台で京劇に挑戦してみたいと思うようになったのです。
張:日本についてはどんな印象を持っていましたか。
張紹成:来日してみるまでは、映画やドラマの印象くらいしかありませんでした。実際に日本人の方たちに接してみると、その礼儀正しさにとても感心させられました。
張:来日してから、これまでどのような活動を行ってきましたか。
張紹成:京劇の公演はもちろんのこと、ワークショップなどを行って、京劇の普及に励んできました。また、05年には読売新聞社の協力を得て、私自身がプロデュースした舞台『京劇エンターテイメント悟空』を公演することができました。脚本も主演も自分で手がけた思い入れのある作品です。日本で学んだことを自分の演出方法に取り入れることもできましたしね。
張:大学で京劇について教えているそうですが。
張紹成:大阪樟蔭女子大学の集中講義で京劇の化粧法について教えています。京劇の化粧の技術はもちろんのこと、その背景にある意味や文化といったことも伝えています。多くの学生が興味を示してくれているので、とてもやりがいがあります。
張:気功を教える活動も行っているそうですね。
張紹成:全国設計事務所の健康保険組合で講師を務め、気功養生法とオリジナルカンフーエクササイズを指導しています。受講者が年間延べ1500名に上る人気教室です。気功と武術は私の俳優人生の基本であり、健康の源です。今後は組合での健康指導経験とキャリアを生かして、「京劇俳優張紹成の健康法」として社会に普及させていきたいと思います。
張:これからも素晴らしい京劇を演じつづけてください。本日はありがとうございました。
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