「観光コンサルティング」を展開して 中国人観光客の受入体制を整える!!
平和ITC代表取締役 周 文
1968年10月生まれ。87年西安市・西北大学経済管理学院旅遊経済管理学部。91年陝西省旅遊局教育処。92年西安招商国際旅遊公司欧米亜中心。97年日本国・名古屋大学大学院経済研究科経済学修士取得。01年(株)オーティーシージャパンに入社(中国専門旅行社)。03年(株)平和ITC (国際ツアーコンサルタント) 代表取締役に就任後、現在にいたる。そのほか、NPOアジア教育・文化支援協会理事をつとめる。
昨年、中国では四川大地震や餃子問題が発生。そのため、多くの日本人観光客の足は遠のいてしまった。そこで、今号では日本で旅行会社を立ち上げた周文さんに、日中の旅行業界が抱える課題と同社の取り組みについて聞いてみた。
聞き手は張国清北京放送東京支局長である。この取材内容は日本東方通信社の週間雑誌「コロンブス」2009年2月号に掲載されている。
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張:周さんは日本で旅行会社を経営していますが、中国にいた頃はどういった仕事をしていたのですか。
周:大学卒業後、中国で観光関係の公務員として働いていました。しかし、あまりにヒマな職場だったので、もっと自分の能力を生かせるような仕事をしたいと思うようになり転職しました。転職先は、学生時代に観光経済を勉強していたこともあったので旅行会社になりました。そこでは主に欧米人のガイドや企画営業の仕事を担当しました。その後、日本への留学を決意し、名古屋大学に研究生として入ったのです。中国人の多くはアメリカに留学する傾向があるのですが、私は英語以外の語学を学びたいという気持ちがあったので、日本への留学を決意したのです。そして、修士課程を修了したときには、教授から博士課程にすすんだらどうかといわれましたが、すでに32歳だったので、あきらめてビジネスの道にすすむことにしました。
張:その後、日本の旅行会社に就職したのですか。
周:そうです。そこは中国専門の旅行会社で、大手旅行会社に旅行商品を卸す仕事をしていました。しかし、日本の旅行システムと中国のそれとはいろんなことが違いました。そのため、仕事の勝手がわからずに、最初の頃は戸惑うことが多かったです。先輩からは「中国で旅行の仕事をしていて、なんでそんなこともわからないんだ」と叱責され、悔しい思いをしたこともありました。そこで、私は毎日夜中まで働き、徹夜で勉強して、日本の旅行会社の仕事を理解できるように努めました。おかげで、半年後には職場の人たちから仕事に関する質問や相談を受けるまでになりました。
張:それから2年後に平和ITCを立ち上げたわけですか。しかし、その時期はちょうどSARSが発生したときですね。
周:たしかに、業界全体が冷えきっていましたし、各社とも営業を控えている時期でした。しかし、いくら冷え込んでいたとはいえ、ニーズがなくなるようなことはありません。ですから、私は積極的に営業を展開することにしたのです。地方の自治体や企業などを飛び込みで訪問し、研修旅行や視察旅行などの営業を行いました。そうしているうちに、徐々に仕事の量が増えるようになったのです。ところが、その後も苦境はつづきました。翌年には鳥インフルエンザが発生し、さらにその翌年には所謂反日デモが起こったのです。
張:そうなってくると、経営状態も悪化したのではないですか。
周:もちろん、トリプルパンチに見舞われ、売上げは大きくダウンしました。が、経営者みずから不安な表情をしていると、会社全体の士気にかかわってきます。ですから、つねに「ピンチはチャンス」という言葉を自分にいい聞かせて仕事をしました。
張:ところで、華僑系の旅行会社の場合、その大半が中国と日本のお客だけを相手にしたビジネスを展開している例が多いように思いますが、周さんの会社はいかがですか。
周:私たちの会社は日中だけでなく、ロシア、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、モンゴルといった具合に、いろんな国のお客を相手にしています。そうすれば何か問題が発生した場合でもリスクを最小限に抑えることができるのです。現に、昨年は四川大地震や餃子問題などが発生して中国旅行は大きな打撃を受けましたが、リスクを分散していたおかげで、それほど売上げに影響は出ませんでした。
張:日本政府は観光立国を掲げて外国人の誘致に努めていますが、中国人観光客の動向はいかがでしょうか。
周:日本政府はもちろんのこと、地方自治体も力を入れはじめていると思います。人口減と不景気というふたつの流れがあるなか、外国人観光客を誘致することができれば、地域を元気づけることができますから。そのせいか、最近は自治体からのコンサルティングの依頼が増えるようになりました。現在、他社と連携しながら自治体のコンサルティングを行っているところです。しかし、その際に重要になってくるのは、受け入れる地域の体制がどうなっているかです。たとえば、宿泊施設はどうなっているか、道路標識やイロイロな案内板はどうなっているかといった問題があります。それからホームステイの受入先を拡充していくことも重要になってくるでしょう。
張:中国では日本への家族旅行が解禁されるようになったと聞いていますが、そのあたりはどうでしょうか。
周:家族旅行は昨年の9月に解禁されました。しかし、実際にはほとんど許可がおりていないのが現状です。まだビザをおろすための基準がハッキリしていないのが原因だと思います。とはいえ、今後、日中間はドンドン開かれた関係になってくるはずです。その流れをキチンと読み、サポートできるようにしていかなければなりません。
張:これからも旅行業の発展のためにがんばってください。本日はありがとうございました。
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