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日本で活躍している范巨霊さん

2009-01-20 11:36:47     cri    

日中の観光交流の促進は 経済発展と平和維持につながる!!

 范巨霊 中国国家観光局(東京)主席代表

 1963年陝西省に生まれ。86年大連外国語学院日本語学部卒業後中国国際旅行社総社に配属される。97年2月から01年10月まで中国国家観光局(東京)に派遣され勤務。帰国後中国国家観光局のアジア・オセアニア・アフリカ市場開発担当処長を勤め、07年5月中国国家観光局(東京)の首席代表として再び来日し、現在にいたる。

 昨年の中国では、北京オリンピックが開催された一方で「四川大地震」「毒餃子問題」といった事件が発生した。その影響は観光産業にも及んでいるようだ。では、今年はどのような観光戦略をとって、巻き返しをはかっていくのか。さっそく、中国国家観光局(東京)主席代表の范巨霊氏にそのあたりを聞いてみた。

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 聞き手は張国清北京放送東京支局長である。この取材内容は日本東方通信社の週間雑誌「コロンブス」2009年1月号に掲載されている。

 張国清:范さんはいつ来日しましたか。

 范巨霊:(中国国家観光局(東京)主席代表) 今回は2回目の赴任になります。前回は97~01年でした。そのときも中国国家観光局の東京事務所に勤務していました。その後、一度は中国に戻り、昨年5月にふたたび赴任することになりました。

 張:中国国家観光局の役割についてお聞かせください。

 范:中国国家観光局は観光に関する中央政府機関です。中国では旅游局と呼ばれていますが、日本ではその役割をわかりやすくするために他国同様に観光局といっています。ちなみに、国家観光局は世界に18カ所の拠点を置いています。日本では東京以外に大阪にも設置しています。そのほかの国ではアメリカ、韓国、フランス、ドイツなどに拠点を設けています。こういった拠点では、中国への観光客を誘致したり、その国の政府関係者、旅行業界関係者などとの交流を深めたりすることを目的としています。

 張:日本の拠点が設置されたのはいつですか。

 范:東京事務所は81年に、大阪事務所は97年に設置されました。東京事務所を設置した頃から中国の観光産業にとって、日本は重要なマーケットだったわけです。以来、訪中する日本人観光客は年々増加しています。ちなみに、07年には延べ397万人の日本人が中国を訪れました。

 張:日本以外の国では、どういった国からの訪中者が多いのですか。

 范:最近は韓国からの訪中者が急増しています。その勢いはすさまじく、05年から韓国人の訪中者が日本人を上回るようになりました。両国の訪中者を比較すると、韓国人は団体客の割合が多く、日本人はビジネスや個人客が多いという特色があります。  

 また、韓国人は内陸部の就航都市に自然や世界遺産などを見て回ることが多いのに対して、日本人は沿海部や大都市に集中しています。それから、日本人観光客は日本国内同様の環境やサービスを求めるのが特徴で、インフラ整備が不十分な内陸部にはあまり足を運びません。

 張:08年は「四川大地震」「毒餃子問題」といったことがありましたが、観光にはどんな影響がありましたか。

 范:08年の訪中者数は減少しました。1~10月のデータで比較した場合、前年比12・84㌫のマイナス成長になっています。が、これにはマスコミの偏った報道が大きく影響していると思います。マスコミには事実だけを報道してもらいたいものです。それに、中国のように大きな国では、良いこともあれば悪いこともあるのは当然です。話題性ばかりを求めるのではなく、ありのままの中国を伝えてほしいと思います。

 張:どのようにして観光客を誘致していますか。

 范:日本人の観光に対するニーズは多岐に渡っています。たとえば、年代によっても大きく違います。20代の人たちが北京や上海などの大都市を好み、50代の人たちが中国の歴史や自然を求めて内陸部を好むといった具合にです。ですから、そういった趣向に合わせてさまざまなツアーや企画を用意しなければなりません。現在、中国には37の世界遺産があるのですが、最近はこれを見て回るという「中国世界遺産スタンプラリーの旅」が人気です。また、北京オリンピックの感動を再現するようなツアーや2010年の上海万博に向けたツアーなどもあります。

 張:今年は何かテーマを掲げていますか。

 范:今年は「中国生態旅游年」というテーマを掲げています。生態観光とは観光を通じて、自然に触れ合い、環境を大切にしなければならないと実感するためのものです。改革開放して30年、中国では社会経済の発展にともない、生活環境を改善する意識がドンドン強くなっています。今年はこの生態観光をテーマに掲げることで、自然環境に負荷をかけない観光産業を目指していきたいと考えています。

 張:中国から日本に来る人の数はどうなっていますか。

 范:年々増加しています。観光については団体客がほとんどですが、今後日本側の受け入れ体制が改善されれば、もっと増えると思います。多くの中国人にとって、日本はもっとも身近な先進国であり、いろんなことを学びたい国のひとつなのです。

 張:日本政府は積極的に外国人の誘致を掲げていますが、今後はどのような課題があると思いますか。

 范:日本政府は中国語標識を増やしたりして、中国人観光客を誘致しようとしています。今後は査証政策の緩和と中国語ガイドの拡充が課題になるでしょう。そして、いかに観光地や日本文化のことをわかりやすく説明できるかが重要になってきます。  

 先日、中国人観光客は日本で平均8~9万円も買い物をして帰るというデータを目にしました。今後、中国人観光客の数が増えれば、その経済効果はもっと大きくなるはずです。また、観光交流はたがいのことを知るキッカケにもなるので、相互理解と友好関係の発展にもつながるはずです。

 張:観光交流で日中友好を促進できるのですね。おおいに期待したいと思います。ありがとうございました。

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