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日本で活躍している劉洪友さん

2009-04-03 10:55:21     cri    

南京生まれの実力派書道家が 書道を通して日中友好を実践!!

 劉洪友(りゅう・こうゆう) 全日本華人書法家協会主席

 1961年10月江蘇省南京市生まれ。91年に来日し、中国古典書道を日本にて指導。98年純中国古典書道教育を系統的に指導する日本で初めての学校「中国書法学院」を設立。現在は青砥校・池袋校をはじめ1カ月に20カ所以上の書道教室にて指導にあたっている。02年にはNPO法人日中文化交流促進会を設立し、日中両国で文化交流活動を行っている。著書に『四字熟語で書く中国名碑名帖選』(角川学芸出版)など

 中国古典書道の第一人者として知られる劉洪友氏は、日中両国で数々の名だたる賞を取ってきた。現在は日本で書道教室を開講しながら、日中友好に関する取り組みを積極的に行っているという。そこで、劉氏に書道を活用した日中友好の可能性について聞いてみた。

 聞き手は張国清北京放送東京支局長である。この取材内容は日本東方通信社の週間雑誌「コロンブス」2009年3月号に掲載されている。

 張国清・北京放送東京支局長 劉さんはいつから書道をはじめたのですか。

 劉洪友・全日本華人書法家協会主席 私の祖父は中国では知られた書道家で、私もその影響を受けて4歳の頃から書道をはじめました。とはいえ、私が大学に進学しようとしたときは、ちょうど文化大革命が終わった直後だったので、まともに書道を勉強できるような環境はありませんでした。そこで、歴史や文学などを学んで書道に生かそうと考えました。中国では書道は総合芸術として位置づけられており、文学や歴史の素養が必要になってくるのです。そして、その後は林散之先生や陳大羽先生といった中国の高名な書道家や芸術家のもとで学びつづけました。

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 張:どういったキッカケで来日したのですか。

 劉:現代書道を学ぶために91年に来日しました。というのは、日本は中国よりも現代書道の分野ですすんでいたからです。とくに、私が興味を抱いていたのは手島右郷先生です。中国で彼が書いた「崩壊」という文字を見たときにはとてつもない衝撃を覚えました。その印象があったからこそ、日本で現代書道を学びたいと思ったのです。  

 こうした思いを後押ししてくれたのは祖父でした。祖父は私に日本で学ぶように促し、私のために日本の書道家たちへの紹介状を書いてくれたのです。そこで、私は何十枚もの紹介状と印鑑を彫るための石を抱えて来日することになりました。日本の書道家たちから仕事をもらうつもりでしたから、お金はわずか6000円しか持っていませんでした。おまけに格好は長髪にヒゲ面と、まさにヒッピーといった感じだったと思います。

 張:来日後、うまく仕事は見つかりましたか。

 劉:それが最初はかなり苦労しました。日本の書道家のもとに祖父からの紹介状を持っていっても、なかなか返事をもらったり、仕事をもらったりすることができなかったからです。そこで、私は自分で稼ぐために池袋でアルバイトを探しました。すぐに飲食店でのアルバイトが見つかったのですが、当時の私は日本語学校にも通っていなかったので、メニューを覚えることさえできませんでした。そのため、しばらくするとストレスで胃潰瘍になってしまったのです。しかし「捨てる神あれば救う神あり」とはよくいったもので、入院中の私のもとに初めての仕事が舞い込んできたのです。点滴を受けながら、篆刻(ルビ・てんこく)(印章を作成すること)するという有様で、つごう30数本を彫ったと思います。そのおかげで、私は何とか入院費用を払うことができ、そのつぎの仕事にもつなげることができたのです。

 張:現在、劉さんは書道教室「中国書法学院」を開講していますが、これはいつからはじめたのですか。

 劉:書道教室をはじめたのは96年のことです。生徒は3人で練馬(東京)で教室を開きました。現在は葛飾区青砥で教室を開いており、生徒数は200人以上にまで膨れ上がりました。なかには宮古島から来てくれている生徒もいます。これまでに教えた生徒の数は1000人に上ると思います。

 張:日本と中国の書道の違いについてお聞かせください。

劉:日本の書道は先生の手本通りに字を書くことになっています。しかし、それでは先生と同じような字しか書けなくなってしまいます。そもそも人はそれぞれの個性を持っています。ですから、書道に関しても人それぞれの特徴を発揮できるような教え方をすべきなのです。私はこういったことをモットーにした書道を教えています。

 張:書道による日中交流にも積極的に取り組んでいるそうですね。

 劉:日本の書道家を中国に連れていって、中国の書道家と交流させる活動などを行っています。と同時に、中国の書道家を日本に招待して、「中国現代二十人書法展」を開催したりしています。さらに、昨秋には故郷の南京で、南京和平友好桜花園をオープンしました。南京市政府から約3万坪の土地を譲ってもらい、これまでに5000本の桜の木を植え、公園づくりをしてきたのです。開園式には1000人以上の日中関係者が訪れてくれました。今後はこの桜花園のなかに書道や柔道といった日本文化の博物館や体験施設を建設していきたいと考えています。南京は日中関係にとって悲劇の舞台となったところです。が、そういった過去をいくら引きずっていても仕方ありません。新しい日中関係の未来を切り拓くためには、こうした試みも大切だと思います。

 張:今後の目標についてお聞かせください。

 劉:もっと日中友好の架け橋として活躍していきたいと考えています。本来は国や大使館などにも積極的に支援してほしいところですが、なかなかそうもいかないのが現状です。ですから、当面は周辺の人たちの力を借りながら、自分の力を最大限に発揮していきたいと思います。

 張:これからも書道を通して日中友好に努めてください。本日はありがとうございました。

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