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ナビゲーター 黄競
2月14日は中国の伝統行事の一つ・元宵節です。中国各地の人々は様々なイベントを行い元宵節を祝います。今回の中国メロディーは元宵節にまつわる風俗習慣と音楽を紹介しました。
元宵節の多彩な祝賀イベント
元宵節は旧暦の1月15日のことです。この日は旧暦新年最初の満月の日なので人々はそれを喜び、旧正月・春節のめでたさをこの日までとしました。元宵節が過ぎると春節は終わりを迎えます。元宵節の夜、各地の人々は提灯を飾り、餡入りだんご・元宵を食べたりしながら一家団欒をして過ごします。このほか、銅鑼や太鼓の演奏や獅子舞、ヤンコ踊りなど様々なイベントも元宵節の雰囲気を彩ってきました。
美味しい元宵
中国では元宵節に、どの家も餡の入ったお団子・元宵を食べます。中国の南方地方ではこの元宵をお湯に丸い圓という意味の『湯圓』と言います。その作り方は元宵と少し違いますが、どちらも茹でた団子です。団子が丸い形をしていることから円満や団欒を象徴する意味をもっています。
元宵節の伝説
元宵節は旧正月に続く最初の大切な祝日です。この日に華やかな灯篭が町中に飾られ、人々が花灯(飾り灯籠)の見物に出かけ、大変賑やかです。
元宵節の由来についてこんな伝説があります。昔、一羽の白鳥が天国より人間界に舞い降りた際、猟師に殺されてしまいました。それを知った上帝は人間界に復讐するため、正月15日に天より兵を遣わし地上を焼き払うことを計画しました。この計画を知った人々は、松明を燃やしたりランタンを灯したりしました。これを見た上帝が、人間界がすでに焼き払われたと錯覚したため人間界はこの厄災から逃れることができたのです。それ以来、毎年正月15日にランタンを灯す習慣が生まれたと言われています。
灯籠が輝く夜
先ほどご紹介したように元宵節で最も賑やかなのは美しい灯籠を楽しむことです。古来この夜、貴族の宮殿にも家々の軒先にも色とりどりの提灯が灯され、華やかな雰囲気が溢れていました。宋の時代の詞人辛棄疾は『青玉案・元夕』に当時の元宵節の盛り上がりを次のように描写しました。
春風が吹く夜に、花のような燈籠がいくつか
風に吹かれる燈籠はまるで星が降るようで
美しい馬 紋刻な車 道いっぱいの匀い
笛の音色が響くと
玉でできた燈籠に光がうつり
夜通しの大道芸、髪飾りと金色の糸
笑い声が満ち溢れ、どこからか香りが漂っては消える
人ごみのなか、何度も何度も探し回った
ふと振り返ると思いがけず、
あの人はいた。
消えそうな薄明かりのともし灯のそばに。
番組の中でお送りした曲
1曲目 閙元宵(元宵節を楽しむ)
この曲は李民雄が1957年に浙江省の民間音楽を元にアレンジした作品です。曲の冒頭部分とフィナーレは元宵節に獅子舞や竜踊りなどが賑やかに舞い、喜びと祝賀に沸く場面を再現しています。中間部分は管弦楽が叙情的な美しい旋律を奏で、賑やかで活発な雰囲気との対比を鮮明にしました。李民雄と上海民族管弦楽団の素晴らしい合奏で人々は中国の伝統音楽と打楽器の独特な魅力を味わうことができます。
2曲目 元宵圓(丸い元宵)
歌は中国の有名なテノール歌手・姜嘉鏘です。
歌詞
空にまん丸い月が昇り、
川にまん丸い月が映る。
お正月の15日は元宵節で、
どの家も「湯圓」を味わう。
3曲目 繍金匾(金色の額を刺繍)
歌は元々、中国西北地方に広く伝わる民謡で、様々な歌手によって歌われました。しかしやっぱり名歌手・郭蘭英が歌ったバージョンが一番人気があります。特に、郭蘭英が1976年に周恩来首相を記念する音楽会でこの歌を涙ながらに熱唱したことで、大きな感動を呼びました。その心のこもった歌声で、当時多くの中国人が文化大革命の中で逝去した周恩来首相を懐かしむ気持ちを表しました。
歌詞:
お正月が過ぎて元宵節を迎え、
金色の額の刺繍を始める。
周恩来総理の像を刺繍する。
貴方は人民の好い総理だ。
革命のために全力を尽くし、
人民は貴方を熱愛する。
4曲目 灯火阑珊处(灯火の届かぬところ)
曲は辛棄疾の『青玉案・元夕』を元に作られた民族音楽作品です。元宵節に沸く賑やかな街を描写しながら、気になる人が人込みを離れ 一人寂しく佇む情景を描き出しています。
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