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12月21日は冬至です。一年の中で昼が最も短く、夜が一番長くなるときです。中国ではこの日、北方では餃子を南方では餅団子を食べる風習があります。どちらも、これから始まる本格的な寒さに備えるものです。今回の中国メロディーは前回に引き続き、冬にまつわる風俗習慣と音楽をご紹介しました。
冬至の日は犬肉の日
12月下旬に入り、中国の北方地方はすでに雪と氷に覆われた銀世界になりましたが、南部の広東省、福建省などは、尚、生い茂る緑に囲まれ冬の厳寒は感じられません。しかし竹林の中で風に追われて舞う黄色い竹の葉は冬将軍がやってくることを告げています。
広東省では冬至の日に羊肉や犬の肉などを食べる習わしがあります。また「冬至吃狗肉,明春打老虎(冬至の日に犬の肉を食べれば、来年の春に虎も捕まえられる)」という諺があります。つまり冬至に犬の肉を食べると体が強くなり健康になるという意味です。
広州の花市―冬の風物詩
広州は中国南国地方の最も重要な港都市であり、昔から中原文化の影響や海外からの西洋文化の影響を受けつつも嶺南文化とよばれる独自の文化を形成してきました。
広州の冬の風物詩と言えば、やはり花の市場と書く花市ですね。花市は広州の伝統的な旧正月イベントで、その歴史は200年にも遡ります。暮れの28日から大晦日の0時まで、3日間開催されます。花市の期間、広州市のいたるところに様々な花や盆栽が飾られ、市内各所で行われる花市は数十キロにも及びます。一般の人達も自由に花の売り買いが出来、その遣り取りが広州の風物詩となっています。
華麗な南方獅子舞
中国南国地方では毎年、年末年始に元旦、旧正月、元宵節など多くの祝日を祝います。そのときは、どの家でも爆竹を鳴らしたり戸口に赤い対聯を貼ったりします。そして色々な行事の中で最も壮観なのは、龍の舞と獅子舞です。
獅子舞は中国の伝統芸能で、幸せを招くと共に厄病祓いや悪魔祓いとして古くから伝えられてきました。中国の獅子舞は北方獅子舞と南方獅子舞2つの流派に分けられます。北方獅子舞は揚子江以北の地方で踊り伝えられ、南方獅子舞は広東省を中心に南国地方で盛んです。色彩が豊かで武術的特色が強く、武術家のカンフー修行にも取り入れられています。その勇壮で華麗な踊りは祝日の明るく賑やかな雰囲気を盛り上げます。
番組の中でお送りしたのは
1曲目 寒鴉戲水(冬、水と戯れる鴨)
広東音楽の代表作です。中国の伝統楽器・古筝が奏でるこの曲は鴨の群れが寒さの中で水浴びをしている様子をうまく表現しました。中国広東省・潮州派の古筝の曲の中で最も詩情に富んだ名曲だと言われています。
2曲目 人约黄昏后(黄昏の後の約束)
この曲は宋の欧陽修の漢詩『生査子・元』を元にアレンジしたものです。歌は台湾の有名な歌手・テレサ・テンです。春節後の最初の満月の夜に、花市の灯篭見物をしたり、お月見をする風習を描きました。
歌詞
去る年の元夜の時
花市の燈は昼の如くなりき
月は柳の頭にかかり
人々は約束する、黄昏の後
3曲目 羅漢醒獅(獅子舞の目覚め)
中国民族楽器の合奏曲です。祝祭日に南国地方の人々が勇壮な獅子舞や賑やかな銅鑼と太鼓などで華やかな新春を迎える場面を描きました。
4曲目 天烏烏(空が暗くなる)
福建省や台湾省北部に広く伝わる童謡で、南国民謡の代表作と言われています。
歌詞:
空が暗くなり、雨が降りそうだ。
お爺さんが鋤を持ち芋を掘り、
掘って掘って
椎茸を掘り出した。
お爺さんは塩辛く作ろうと言い、
お婆さんはあっさりだと言い、
二人は喧嘩して
鍋が壊れた。
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