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10月13日は旧暦の9月9日にあたり、中国の伝統的な節句・重陽節です。ちょうど、菊が咲く季節であることから、この日は菊を鑑賞したり、山に登ったりする習わしがあります。北京の各公園では色とりどりの菊が奇麗に咲いていて、凛とした花の香が秋を感じさせます。さて、今回の中国メロディーは秋の花をテーマに、秋の美しい花を讃える音楽を紹介しました。
高潔な菊
旧暦9月、夏の花が散り、緑の草木が枯れ始めた頃、野原や街角を多くの野生の小菊が飾り始めます。小菊はまるでスカーフを纏ったたくさんの可愛い女の子が手を繋いで芝生でおしゃべりしているようで、活気に溢れた感じがします。キクは霜に耐え雪の中でも咲き誇ることから、古くから人々にこよなく愛され,「高潔な節操」を持つ花だと言われています。
中国の歴史の中で、菊を愛する文人は多くいます。その代表は1600年前の晋の時代の田園詩人、陶淵明です。陶淵明の漢詩「飲酒」は詩人が悠々とした田園生活を楽しむ心境をうまく表現しました。特に「采菊东篱下,悠然见南山」(東の垣根の下で菊の花を採り、悠然と南の山を見る)」という句は多くの人々に愛され、広く朗詠されました
宇宙の花―コスモス
秋の花と言えば、菊のほかにコスモスも世界各国の人々に親しまれています。コスモスはメキシコ原産の花で、ここ数年、北京の庭園で広く植えられるようになりました。一面に広がるコスモス畑は本当に美しい秋の情景です。
コスモスとは英語では「宇宙」の意味があります。その強い生命力から、世界の多くの国と地域で広く植えられています。さすが宇宙の花です。また、どんな雨や風でも、必ず立ち直って、またすぐ花をつけるので野性美という花言葉もうなずけます。
可憐な金木犀の花
9月下旬から10月上旬にかけて小さなオレンジ色の花を咲かせる金木犀。花は小さいのですが、その強く甘い香りはかなり遠くからでも匂います。何回か秋雨が降ると、あまりに小さく繊細なその花は、地面に落ちてしまいます。ただ、散った後も地面はオレンジ色の絨毯が敷かれたようにしばらくその明るい色が辺りを彩り、これもまた美しいものです。
金木犀は中国原産の花で、今から900年前の宋の時代に中国南方の各地で広く栽培されるようになりました。18世紀にインドを経由して欧米諸国に伝えられました。その可憐な花と甘い香りは世界の多くの国の人々に愛されています。この金木犀の花、中国ではお茶の香り付けにしたり、お酒に漬けたり、砂糖に香りを移してお菓子を作るほか様々な料理に使ったり、それはたいへんな愛されようです。中でも金木犀を漬け込んだお酒、桂花陳酒は、楊貴妃が好んで飲んでいた事でも知られる有名なお酒です。
故郷を思う花―秋海棠
秋風も涼しさを増す頃、日陰がちの植込みや路地裏で美しい秋海棠の花をよく見かけるようになります。秋海棠は淡いピンクの花だけでなく茎も淡紅色に色付き、とても美しいです。その楚々とした繊細な雰囲気が多くの文人に愛され、詩にも詠まれています。また、他郷にいる人が故郷を思う気持ちや別れの悲しみのたとえとしても使われます。
番組の中でお送りした曲
1曲目 「菊嘆(菊のため息)」
この曲は菊の花を歌ったものです。
歌詞
美しい小菊
清らかに輝く月の光の下
微笑みながら寒い夜に咲き始め、
林の中の小川を照らしている。
冬が過ぎ、春が訪れる。
私はずっと君の笑顔を待っている
2曲目 秋桜(コスモス)
この曲はもとは日本の歌です。山口百恵さんの名曲「コスモス」の中国語でのカバー曲です。歌手・蘇曼さんが山口百恵さんの原曲を悲しい恋歌にアレンジしました。歌詞の内容も原曲と多少異なっていますが、胸に切々と迫る繊細な歌声が深い印象を残しました。
3曲目 桂花開放貴人来(金木犀の花が咲き、高貴な人が来る)
この曲はプイ族の民謡を基にアレンジしたものです。
毎年、金木犀の花が咲く頃、プイ族の娘たちは自家醸造した美味しい木犀の酒で遠方からのお客をもてなします。
歌詞
金木犀の木が岩から生え、
金木犀の花は高貴な人来るのを待っている。
高貴な人が来て、金木犀が咲き、
金木犀の花が咲き、幸福が来る。
4曲目 故郷情(故郷への思い)
歌は台湾の男性歌手・费玉清さんです。费玉清さんは台湾の実力派歌手で、1980年代に民謡歌手としてデビューして以来、独特の歌声と圧倒的な存在感で高い人気を博しました。彼の歌声は、若者の世代にも人気があります。
歌詞
故郷のモチノキ
うまく言えない香り
故郷の秋海棠
うまく言えない鮮やかさ
モチノキ、秋海棠よ
私の思いを呼び覚ます
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