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ナビゲーター 黄競
金木犀の香るこの季節、中国各地は秋の最も大事な伝統祭り・中秋節を迎えます。「中秋節」とは旧暦の八月十五日、いわゆる「十五夜」の日に家族が集まり月を愛でる節句です。中国では中秋の名月こそ一年で最も美しい月とされています。また、名月のお伴には月餅という伝統的なお菓子を楽しむ習わしがあります。それは一家団欒を象徴しています。今回の中国メロディーは月をテーマにして、中国各地の月に関わる音楽をお送りします。
草原の美しい月夜
9月、秋風が吹き渡る蒙古草原が金色に染まる時、南方へ飛んでいくオオカリの鳴き声が秋の到来を告げます。夕方、月が東の空から昇り始めました。静かな草原には鈴虫やコオロギの鳴き声と川のさらさらと流れる音しか聞こえません。この季節のお月様はしっとりとしてとても優しい輝きを持っています。その優しい月光の下で、草原はより静かに美しくなります。こんな美しい月夜は若い男女が互いに愛を伝え合うのによい時ですね。
華北平原の中秋節
秋は収穫の季節です。この季節に黄金色に実った小麦が、一面に広がる華北大平原を覆い尽くします。中秋節の夜、明るい月が昇り夜空を照らします。人々は一家団欒の食事を済ませてから、庭にテーブルを出し、月餅やリンゴ、ザクロなどの果物をならべます。それから一家そろって果物を食べながらお月見をし、団欒のときを楽しみます。
水郷の月夜
金木犀の木が花をつける頃、秋の足音は北から徐々に南下していきます。何度か秋雨が降った後、江南地方にも秋がひっそりと訪れてきました。霧雨の中の江南水郷はまるで山水画の世界のようです。特に、水郷の月夜は昔から多くの文人に愛されてきました。唐代の詩人・張継の七言絶句「楓橋夜泊(ふうきょう やはく)」は江南水郷の美しい月夜と遠くの故郷への思いを巧みに表現しています。特に「姑蘇城外の寒山寺 夜半の鐘声 客船に到る」という最後の数句はとくに有名です。
番組の中でお送りした曲
1曲目 敖包相会(オボでの出会い)
この曲は有名なデュエット民謡です。オボはモンゴル語で「堆積」という意味ですが、後に意味が変わり、神様を祭るお寺になりました。蒙古族にはオボで様々な祝賀イベントを行う習わしがあります。この期間、若い男女は草むらに潜んで恋を語り、互いに想いを打ち明けます。
歌詞:
十五夜の月が空に昇ったよ、
何故雲は寄り添わないの?
美しい娘よ、何故私のそばに来てくれないの?
大地を潤す雨が無ければ
海棠の花は咲くことができない
あなたが我慢強く待っていれば
愛しい人はもうすぐ駆け寄って来るだろう。
2花好月円(花美しく月円やか)
この曲は全部で三楽章からなります。中秋節の夜の一家団欒の喜びを生き生きと表現したリズミカルな美しい旋律は、人々に広く親しまれています。
3曲目 明月千里寄相思(名月は思いを馳せる)
1940年代に流行した歌で、当時、上海の有名歌手・呉莺音が歌って大ヒットしました。その後、テレサテンや蔡琴などの多くの歌手にも歌われ、今でも広く人々に愛されています。
歌詞
夜の景色がおぼろげになり、
天の果ての新月がまるで鉤(かぎ)のようだ
昔を思い出すと
さながら夢のようだ
あの夢を再び探しても、、、
一体どこにあるのか
4曲目 月亮代表我的心(月は我が心)
月に関る名曲ラブソングです。歌は有名な歌手テレサ・テン。テレサ・テンの甘く美しい歌声は真摯な愛情をうまく表現しています。
歌詞
どれほどあなたを愛しているか、
どれほどあなたを思っているか
私の思いは誠、私の愛も本物
月は我が心
私の思いは移ろわない
私の愛は変わらない
月は我が心
軽い口付けが私の心を揺さぶった
濃密な過去の思い出を未だに恋しく思う
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