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ナビゲーター 黄競
8月7日は立秋、暦の上では秋になります。秋に入ったとは言え、まだまだ残暑がきびしいです。さて、前回の中国メロディーは夏をテーマにして中国西南部雲南省の伝統行事と音楽を紹介しました。今回は中国西南部の広西チワン族自治区の少数民族の夏の音楽を楽しみましょう。
南国ムードが漂う美しい辺境―広西
広西チワン族自治区は中国沿海地区の南西部にあり、南はトンキン湾に面し、南西部はベトナムと国境を接しています。気候は、年間を通じて温暖な亜熱帯で、バナナを始め熱帯果樹や植物が生い繁り、熱帯果物の天国と呼ばれています。
ここにはチワン族、ヤオ族、トン族、コーラオ族など12の民族が暮らしています。
その南国ムードが漂う風光明媚な景観と多民族が織りなす多彩な音楽の世界は、訪れるものを魅了して止みません。毎年旧暦の7月中旬、早稲米を収穫した後、広西チワン族自治区に住むチワン族やヤオ族、ミャオ族、トン族など多くの民族の人々は盛大な「吃新節(新米を食べるお祭り)」を行います。お祭りの間、人々は収穫した新米を先祖に奉納し収穫への感謝を表します。また、芝居や稚魚の放流などのイベントが行われ豊作を祝います。
歌の神様・劉三姐の故郷
チワン族は中国55の少数民族の中で、人口の最も多い民族です。その祖先は古代の百越部族で、広西に最も古くから居住していた民族です。歌好きなチワン族が最も尊敬している歌の神・劉三姐はチワン族に伝わる伝説上の娘で、歌が上手なので歌の神様とされています。彼女の伝説や恋物語が数多く残されています。1960年代、これらの伝説を基に作られた映画「劉三姐」が上映されてから、多くの人々に愛され続けています。
美しいヤオ族の村―中国長寿の里
ヤオ族は千年以上の歴史を持つ古い民族で、昔から標高2000メートルの山間部に暮らしてきました。集落の周囲には竹林が多く見られ、景色がとても美しいです。地元に住む100歳以上のお年寄りの割合が世界一なので、「中国長寿の里」と呼ばれます。
そんなヤオ族の村では祝日やお祭りが非常に多く、ほぼ毎月盛大なお祭りを行います。祝日になりますと、踊りも歌も上手なヤオ族の人々は、華麗な民族衣装を纏い、ユニークでロマンチックな長鼓舞を踊ります。長い鼓の長鼓はヤオ族の伝来の代表的な打楽器です。ヤオ族の人々は祝い事や祭りがあると、この長鼓をかかえて叩きながら踊り、祝祭を祝います。
美しい歌が響くトン族の村
広西チワン族自治区の北部に暮らすトン族には文字がありません。そこでトン族が文字の代わりにしたのが「歌」です。民族の歴史や暮らし方、生き方を2000年にわたって歌で受け継いできました。特に、トン族の無伴奏合唱「トン族大歌」は、トン族の伝統音楽の中でも最も優れたものだと言われています。
トン族大歌は低音部が主旋律で、多くの人が一緒に歌います。高音部は1人或いは2、3人のソプラソやテノールがリードして歌います。鳥や虫の声、それに流れる水の音など自然の音を真似ることを通じて、自然や労働、それに愛情を讃えます。
番組の中でお送りした曲
1曲目 大地飛歌(大地を走る歌)
歌っているのは中国音楽界の有名なソプラノ歌手・宋祖英です。宋祖英は天性の美貌と澄み切ったソプラノで多くの人々に愛され、中国で今、最も有名なソプラノ歌手です。
歌詞
山道を歩き 山歌を歌い
漁の網を張り 漁歌を歌う
牧歌を歌うほどに、
牛や羊は多くなり、
夜空の星よりも多い。
2曲目 山歌好比春江水(山歌は春の川の流れのように)
中国初の音楽風景映画「劉三姐」の挿入歌です。映画は、地元の地主に狙われたものの、悪勢力に屈服せず歌と知恵で戦い抜く劉三姐の姿を描いています。挿入歌は映画公開当時大ヒットし、今でも多くの人々に愛され続けています。
歌詞
山の歌を歌おう
こっちで歌い出せば
あっちでも合わせて歌うよ
山の歌は春の川の水よりすばらしい
危ない浅瀬も曲がりくねってる所もへっちゃらさ
3曲目 瑶族舞曲(ヤオ族舞曲)
ヤオ族の伝統音楽である『長鼓踊りの調べ』からヒントを得て作られ、人々が祝日に歌ったり踊ったりする楽しい場面を描きました。20世紀に中国で作曲された最も素晴らしい管弦楽曲作品の一つです。
4曲目 踩歌堂(祭り・踩歌堂)
トン族の伝統音楽を元にアレンジした曲です。「踩歌堂」はトン族の古代の女傑(女性英雄)「シャスイ」を讃える祭りの時、男女が歌の広間で一問一答形式で歌う歌です。
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