中国旋律
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ナビゲーター 黄競
北京は7月に入ってから、一年中で最も暑い時期を迎えました。最高気温が34度ぐらいの暑い天気が続いています。今回の中国メロディーはこの季節にぴったりのちょっと涼しくなるような中国音楽を楽しみました。番組の中で取り上げたのは「泉水叮咚响 (泉の水が澄んだ音を立てる)」、「半个月亮爬上来(半月が昇ったよ)」、「荷塘月色 (蓮池の月光)」、「スイレン (睡蓮)」全4曲でした。
1曲目<泉水叮咚响>(泉の水が澄んだ音を立てる)
この唄は1983年に上映した同じタイトルの子供映画の挿入歌です。映画は定年退職した女性教師が自宅に家庭幼稚園を設立し、子供たちと愛の絆を結ぶ様子を描きました。番組の中で取り上げたのは有名な歌手・楊鈺瑩(ヤン・ユーイン)が唄ったものです。 ヤン・ユーインは中国初代の清純派アイドルと呼ばれ、1990年代に中国でとても活躍しました。ヤン・ユーインの甘くて美しい歌声のこの歌の歌詞は
泉の水が音を響かせ
山を越え、牧草地を流れ
私の傍にやってきた。
泉よ
君はどこへ行くの
唄を歌いながら遠方へ流れる
君よ私の心を連れて
山を越えて 海へ行こう
続いては同じ曲をバス歌手・孟文豪が唄ったバージョンでお聞きください。孟文豪は中国音楽界で魔法のバスと言われ、彼の重く沈む歌声は独特な魅力を感じさせます。
2曲目<スイレン>(睡蓮)
この曲は有名な二胡奏者の賈鵬芳(ジャー・パンファン)氏が奏でた現代二胡曲です。睡蓮は蓮の花の一種、蓮は、汚泥の中でも美しい花を咲かせます。転じて、煩悩の世にあっても清純さを保っている人の例えです。蒸し暑い夏に、可憐な花を咲かせる蓮を見ますと、一服の清涼感を味わえますね。また、ハスの花はインドの国花でもあり、古くから尊重されてきました。花言葉は「神聖」「清らかな心」です。
清浄で澄みきったこの曲は、清らかで高尚な蓮の花に対する賛美を表しました。曲の中でピアノが奏でる低く沈んだ旋律は二胡の柔らかく哀愁漂う音色をうまく引き立たせています。
3曲目<半个月亮爬上来>(半月が昇ったよ)
この唄は「中国のセレナーデ」と言われ、抒情的で美しいです。
夏の夜、空に半月が昇ってきます。その月の光が紗の窓の向こうの娘の鏡台を照らしています。紗の向こうに揺れ動く愛しい娘の姿を感じ、青年は楽器を奏でながら誘います。
歌詞は
半月が昇ったよ イーラーラー 昇った
あの娘の鏡を照らしてる イーラーラー 照らしてる
その紗の窓 開けてよ イーラーラー
早くイーラーラー 開けてよ
そうして バラ 一輪 摘んで そうっと投げておくれ
歌の中のイーラーラーというのはウィグル語ですが、意味はありません。囃子言葉として曲の中に多く出てきて、青年の恋心が揺れ動くさまを表現しています。この唄は20世紀中国音楽名曲に選ばれ、世界各地の演奏会などで歌われています。
4曲目<荷塘月色>(蓮池の月光)
曲の冒頭部分は月明かりの蓮池の美しい景色を描きました。月の光は流れる水のように、静かに蓮の葉と花に注ぎます。薄く青い霧が蓮池に立ち込めています。
続いて曲は江南水郷の蓮を摘む場面になります。蓮の葉を摘むのは若い女の子たちです。曲は彼女たちが揺れる小舟に乗り、恋歌を唄いながら進む情景を再現しています。
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