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スニト草原の蒙古族の春節

2010-03-05 11:03:21     cri    

 内蒙古中部の錫林郭勒(シリンゴロ)草原に蘇尼特(スニト)というところがあります。羊肉のシャブシャブを大好物にしている人々は、スニトのことを知っていることでしょう。外国人にもなかなか人気のある北京の老舗「東來順」のしゃぶしゃぶの食材はスニトで取られたものです。一面が雪に覆われる草原に、ラクダや羊、牛の群れが移動し、ゆったりと餌を食べています。馬を走らせれば、草原に点在する放牧民のテントや煉瓦で造った住宅が目の前を掠めていきます。

 広大なスニト草原では平均して1平方キロ当たり1人が居住していることになります。中国の1年に一番盛大な祝日である春節は蒙古族の重要な祝日でもあります。スニト草原を遊牧する蒙古族の人々は春節をどのように過ごすのでしょうか。冬に入ると放牧民たちは春節を過ごす準備を始め、牛や羊などの家畜を殺したり、十分な肉を用意したり、師走に入ると蒙古族の伝統的な食品を作り始めます。たとえば、どの家でもミルクと小麦粉で数十キロのお菓子をつくるほか、1000個もある蒙古風の肉まんをつくって冷凍します。そして、女性たちは家族のため新年に着る新しい民族衣服をつくたっりして忙しく、猫の手も借りたいところです。

 スニト草原で春節を祝賀するイベントは多彩です。これについてスニト左旗元の責任者であるアディヤ氏は、「春節は中華民族の伝統的な祝日で、われわれ草原の放牧民にとっても盛大な祝日である。現在、生活レベルは向上したが、春節の内容も変わりました。それぞれ3、5人からなる芸能団を組織して、放牧民の家へ出しものを披露したり、年寄りの家へお見舞いに行ったりしています。このほか、テレビ番組とビリョーをみたり、楽しく過ごします」と話しました。

 生活が豊かになって、人々の精神生活も豊かになってきました。過去、通信が発達していなかったため、人々の文化的生活も単調なものでした。現在、余暇の時間を文化活動で過ごしています。皆が一緒に集まり、歌たったり、踊ったり、蒙古相撲、将棋や囲碁などの試合をやったりします。若者は各種の科学技術訓練班にも積極的に参加しています。

 広い草原で2階建の住宅が記者の目に入りました。地元の人の話では、これはこのあたりでよく知られている模範的労働者の珠拉さんの家です。記者がここを訪れたとき、ちょうど羊の群れが帰ってきたときでした。家畜と人の声が混ざってにぎやかでした。珠拉さんは太陽熱を使う庭のハウスで働いていました。春節のころは草原では子羊が生まれる忙しい季節です。こうして、春節は愉快で忙しい祝日となります。珠拉さんはちょうど作業を終えたところで、記者を家の中に案内しました。住宅の面積は大きくありませんが、なかなか実用的で、客間や寝室、台所などがそろっています。珠拉さんは、「二階建ての住宅を建てたのは、勤勉に働けば、放牧民も都会人のような暮らしもできるのだと子供にわかってもらいたいのです」と話しました。

 珠拉さんは今年60歳です。家には1000頭余りの家畜を飼っており、年間の所得は10数万元あります。

 ここ30年間、中国の発展は放牧地区に大きな変化をもたらし、特に放牧民たちの気持ちが大きく変わりました。風力発電と太陽熱の利用によって、生活の質が飛躍的に向上しました。草原でテレビが見られ、自動車やオートバイや移動電話を持つようになりました。

 現在、草原で春節の挨拶をかわす元の騎馬隊は今は自動車隊やオートバイ隊に変わりました。古い習慣に近代文化の色彩を帯びた草原の春節は一層楽しくなっています。(翻訳:トウエンカ)

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