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切り紙、民族の団結を凝集

2010-01-15 11:45:50     cri    

 中国北西部の新疆ウイグル自治区ではウイグル族やカザフ族、蒙古族、回族、漢族、満族など13の民族が居住しています。長年にわたり、この豊かで美しい土地で各民族の人々は家族のように助け合って暮らしてきました。王革山さんは自治区の中心地ウルムチ市に居住しています。今は定年退職しましたが、以前は小学校の教師でした。王さんは手先が器用で、多くの切り紙の作品をつくりました。それらの作品の多くは新疆地域の民族団結を表現しています。

 王さんは新疆生まれで、新疆で育ちました。35年前、王さんは小学校の教師になり、国語や美術、音楽などの授業を教えていました。教育改革の中で、王さんは切り紙との縁を結んできました。

 王さんの話によれば、国語の授業で、象形文字(しょうけいもじ) を取り上げ、物の形をかたどってできた文字を切り紙にして教える方法で、教育の進度が速められたということです。たとえば、生徒に拼音(ピンイン)字母、「e」を教える場合、同じ発音をする鵞鳥を紙に書いて切り取り、黒板に貼って、生徒に見せながら、教えました。すると、生徒はすぐ覚えました。こうして、王さんはまた、英語の26の字母をも牛や羊、ダンサーの姿などを切り紙にして生き生きと表現しました。この方法で、教育の効果と自分の芸術レベルを高めました。

 2000年王さんは定年退職した後、1年をかけて、祖国各地を回りました。旅先では、切り紙の故里である陝西省に長く泊まりました。それは王さんの生涯において得がたいチャンスでした。ここでおうさんは、切り紙の作品を作る決意を固めました。

 王さんの娘さんである趙璐さんは、「母は旅から帰ってきた後、新疆の独特な風格を持つ切り紙作品を作ることを決心した。長年、教育に努めたため、視力が弱くなったこの母は切り紙を作るためにより目を使うようになった。初めは家族は賛成しなかった。しかし、母は自分の考えを通したので、心配しながらも、応援するようになった」と話しました。

 数十年間の切り紙作品の制作の中で、王さんは、はさみで郷里の新疆の美しい風景とここに暮らす各民族人民の生活を再現する作品を多く作り出しました。王さんの作品にはほとんど民族のコンポレックスを凝らしています。その中には、長さ10メートルもある北京オリンピックを迎えることをテーマにしたものがあれば、「光輝く歴史」という新中国成立60周年を祝賀する作品などもあります。王さんの話では、新疆の人は舞踊が得意で、客好きなのです。王さんは切り紙でそれをうまく表現しています。最近作った「刀郎・麦西来普(マイシライプ)」(中国の百科全書:刀郎とは新疆ウイグル自治区の南部のタリム盆地の北西地区を流れるヤルカンド(葉爾羌)川とタリム川の両岸の地区、また、そこに住むウイグル族の人を指す)は王さんが最も力を入れた作品です。1年余りの準備を経て、作り始めたのです。この作品について王さんは、「この作品には中国を愛し、新疆を愛する気持ちがいくつかの部分に分けられ、表現されている。第1部分は新疆各民族の人々が歌ったり踊ったりして、遠くから来たお客さんを迎える場面を描いている。女の子たちは頭の上にスイカやハミ瓜、葡萄、ざくろなどを載せ、身に異なる花模様のスカートを纏い、それぞれの民族衣装の風格をあらわしている。また、山脈や火炎山、氷山を描いている」と語りました。

 この長さ10メートルもある作品は6つの部分にわけられ、現在、前半の3つの部分が完成しています。この3つの部分は、踊っている人物の姿が描かれ、新疆の風土人情、各少数民族の楽器、舞踊の特徴を表現しています。後半の3つの部分は新疆各民族の民族衣装をあらわす作品です。

 2009年、「刀郎・麦西来普(マイシライプ)」という作品の前半が完成する前に、ウルムチ7・5暴動事件が発生しました。新疆生え抜きの王さんはこれに怒りを感じ、新疆の各民族の間の連携はいかなる勢力によっても破壊できないものだと話しています。この事件を通じて、王さんは連携を一段と大切にし、多くの切り紙作品で各民族間の連携と友情を伝えようと決心しました。

 王さんは「切り紙がより好きになった。これで心を伝えることができるから。新疆は多民族が暮らす地域で、どの民族もその他の民族と切り離せないのだ。新疆をより良く発展させるには、各民族は力をあわせていかなければならない」と語りました。

 現在、切り紙は王さんの生活に欠かせないものとなりました。王さんは自分の特徴を発揮し、多くの人々に切り紙芸術の理解を求め、新疆各民族の人々の友情を切り紙で表現していきたいのだと話しました。(翻訳:トウエンカ)

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