まもなく過ぎ去る2009年は中国の新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチ市黒甲山前街地域コミュニティの主任であるウイグル族の若者ユヌスさんにとって、忙しくて、忘れがたい1年となります。地域コミュニティの主任を勤めてすでに8年になりましたが、今年の出来事は『民族団結』の意味を一層深く感じされるものでした。
今33歳のユヌスさんが仕事をしている黒甲山前街コミュニティにはウイグル族や漢族、ホイ族、カザフ族など10の民族の8900人の住民が居住しています。ユヌスさんは午前9時前に出勤し、オフィスに着くと、訪れる住民のさまざまな問題の解決に着手する忙しい一日が始まります。
今年71歳の住民蒲洪元さんの話によれば、ささいなことで、家でよく夫婦喧嘩をしました。二人はユヌスさんのところへ是非を明らかにするため来ました。ユヌスさんは家庭の睦まじさを大切に、ささいなことで気まずくならないようにと蒲さんをいさめ、解決する方法を示しました。仲裁を通じて二人は仲良くなり、気持ちが穏やかになりました。
ユヌスさんは新疆南部のカシュガルに生まれ、1999年大学卒業後、ウルムチ市政府職員招聘試験に参加しました。試験に合格し、政府職員になり、黒甲山前街地域コミュニティ弁公室で仕事をしています。ユヌスさんは、「当時、コミュニティ弁公室のことをよく知りませんでした。責任者は、コミュニティ弁公室の仕事は住民にサービスをし、政府を代表して、各民族の住民の問題解決に努めることだと話してくれました」と語りました。
今年68歳の曾英さんは漢民族で、黒甲山前街コミュニティで30年以上暮らしてきました。若いとき個人商売をしていましたが、年を取ってから労働能力を失い、奥さんの体の調子も悪く、それに一人の身障者の息子がいるため、生活は非常に困難です。それを知ったユヌスさんは曾さんの一家のため、都市住民の最低生活保障の手続きを取りました。それから一家3人は毎月政府から生活費をもらえるようになりました。これについて、曾さんは、「ユヌスさんは時々、お土産をもってうちを訪ね、部屋と庭を掃除して、いろんな家事を手伝ってくれました。それにとても感激しました」と話しました。
今年7月5日、ウルムチ市で、一握りの危険分子が通行人に襲撃し、車両に放火をしたりする暴動事件が発生しました。ユヌスさんは曾さん一家の安全を考慮して、一家をコミュニティのオフィスに泊まらせようとしました。しかし、曾さんは隣の人々と仲良く付き合い、皆が守ってくれていると笑いながら断わりました。
この事件で、黒甲山前街地区は大きな損害を受け、地元の住民の生産、生活と心理も大きく影響されました。住民の生活の安定を維持するため、ユヌスさんは治安部門を組織して、住民団地をパトロールすると共に、住民の家を訪ね、政府の民族政策を宣伝しました。
ユヌスさんは「新疆は多民族の大家庭です。7・5事件発生後、人々は心を脅かされました」と話しました。
漢族の曾英さんモその住民の1人でした。曾さんの話では、7・5事件後、ユヌスさんは曾さん一家の安全をよく考慮してくれ、非常に感謝しているということです。
もう一人の住民は、「今年の冬は非常に寒い。ユヌスさんは住民の家を一軒一軒訪ね、スチームの状況などを見てくれました」と話しました。
ユヌスさんの話では、地域コミュニティの仕事は細かくて忙しい。住民の生、老、病、死にも心をかけています。これは彼の義務でもあるということです。
ユヌスさんは仕事に全力をあげていますが、家庭の負担は重いものです。奥さんは仕事がなく、子供は1歳で、彼はその一家を養っています。一人の収入で生活を維持しながら、両親の医療費用も負担しています。ユヌスさんの生活は非常に節約しているにもかかわらず、住民の誰かに困難がある場合、よく無償で支援しました。仕事に関してこの8年間、住民にどれぐらい寄付したか、はっきりわからないぐらいでした。ユヌスさんは「今後、仕事により一層努力し、地域コミュニティを民族団結の大家庭につくりあげ、住民の生活を一層楽にしていくつもりです。われわれの生活は今後、よりよくなっていくことを信じています」と語りました。(翻訳:トウエンカ)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |