中国西南部の雲南省シーサンパンナー・タイ族自治州に聳えるジノー山の麓に、少数民族ジノー族が居住しています。毎朝、ジノー山郷の各村の子供たちは群れになって歌いながら山の麓に建てられた小学校へ通い、勉強しています。
子供たちは6時30分に学校に着き、7時に学校で朝食を食べます。8時に授業が始まり、昼間は家へ帰って食事をし、午後2時30分学校へ戻ってお掃除をしたり、コンピューターの授業を受けます。授業の合間に男の子はバスケットボールをやったり、女の子は羽根けりなどで遊んで、一日を楽しく過ごすということです。
この話をしてくれた女の子の名前は張珂心といいます。張さんは聡明で物事をわきまえている子で、2年生からクラスの班長にえらばれました。両親が出稼ぎに行って、経済的に富裕ではないおじいさんとおばあさんのところに住んでいます。しかし、張さんは明るく育っています。学費や雑費が全部免除された義務教育が実施されているからです。小学校の楊世沢校長はこれについて、「国家は学費と雑費を全部免除する政策を実施している。寄宿生に毎月50元の手当てをあたえているほか、少数民族の生徒に年に250元の補助金を与えている。学費が免除されるだけではなく、学校から補助金ももらっている」と話しました。
ジノー族は中国で人口がもっとも少ない少数民族の一つです。20世紀の半ば、ジノー族は原始社会の末期状態から直接社会主義社会に入りました。当時、人口はわずか2万2000人でした。自民族の文字はありませんが、話す言葉はあります。その言語を保護し、伝承していくため、小学校で標準語を普及すると同時に、民族の言葉を教える授業を開設しました。国語教師の沙文雲さんは「標準語と民族の言葉を一緒に教える必要がある。多くの子供が大きくなったらジノー族の言葉を忘れてしまう。授業を通じて、母語を覚え、標準語も上手になった」と語りました。
午前中、授業の休憩時間に、生徒たちは皆広場に集まり、体操をやります。この体操は、民族舞踊の特徴があり、リズミカルなもので、生徒に喜ばれています。体操を作ったのは10数年間体育教師を務めた趙順平さんです。趙さんはジノー族出身で、この体操を作った目的の一つは、生徒たちに自民族の文化を覚えさせるためです。
生徒たちの余暇生活を豊かにするため、学校は各方面の支援の下、小さな図書館を作りました。ここで数百冊の各種類の書物を読むことができます。このほか、刺繍や舞踊、音楽などの課外活動グループも設けられています。
700人余りの在校生のうち90%は周辺の村の子供で、一部寄宿生もいます。かれらの家は遠く、60キロ離れている子もいます。こうして、教師は母親のようにこれら生徒の世話をしています。親はこれに非常に感動しています。劉玉さんは「子供が病気にかかったとき、そばにいる教師がその子を病院へつれていって治療して戻ってから、家長に知らせてくれる」と話しました。
構内を通ると、生徒たちは礼儀正しく挨拶をしてくれ、どの子も笑顔だと記者は話しました。これらの子供から、ジノー族の自由で、楽観的な民族の性格がうかがえます。この山のふもとの小学校はジノー族の未来への希望と子供たちの夢を膨らませる場所となっています。(翻訳:トウエンカ)
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