「声を小さく」
むかし、ある村に兄弟がいた。二人は野菜を作って売り何とか暮らしていたが、弟の方はボーっとしていて、何かあると損をする。
と、ある日、弟が畑で汗を流していると兄がやってきて昼飯だから家に戻れという。これを聞いた弟はなんと大声で答えた。
「わかったよ!いま鋤を畦道に隠すから、待っててくれよ」
これを聞いた兄はむっとなったが、そこは黙って家に帰った。やがて弟が戻ったので、兄は飯を食いながら言う。
「おまえはなんだ?あんな大きな声で鋤を畦道に隠すなんて叫びやがって!人が聞いたら鋤が盗まれるぞ。回りに人がまったくいないわけでもないのに!」
「そうか?」
「そうだよ。今度からそんなことは小さな声で言うんだよ。わかったな!」
「わかったよ」と弟は昼飯を済ませ、また畑に出て行った。しかし、しばらくして戻ってきたので兄は怪訝な顔をして聞いた。
「なんだ?どうかしたのか?」
そこで弟は先ほど兄に言われたことを思い出し、小さな声で兄の耳元で言った。
「兄さん!あの鋤は誰かに盗まれていたよ」とね!
次は「泳ぎを覚えろ」です。
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