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「初夢」

2009-01-06 10:35:49     cri    

 「半殺し」

 翌さんは、金がないので正月はどうしようと困っていた。当時、町にかなり意地の悪い金持ちがいて、いつも貧しい人たちをいじめては楽しんでいるという。で、翌さん、いくら考えてもすぐには金が手に入らないので、仕方なくその金持ちを訪ねた。

 「なんだと?銭をかしてくれだと?」

 「ええ、銭がねえもんで、正月を迎えることも出来ない有り様で」

 「今日は貸すわけにはいかねえんだよ」

 「そんなこといわないで、貸して下さいよ」

 「ふん!銭は貸さないよ。そのかわり、銀をやろう!」

 「え?銀をわたしにただで下さるのですかい?これは人の良い旦那ですね。さっそくもらいましょう」

 「何を言いやがる。誰もただでお前にやるとは言ってないよ」

 「じゃあ、どういうことで?」

 「銀百両やるかわりに、お前を殺すのだ!どうだい。銀百両といえば、大金だよ」

 「え?銀をくれる代わりにおいらが殺されるのですか?」

 「そういうこと」

 「そんな。旦那、命がなくなりゃあ、何もかもおしまいでしょう?」

 「そうさな。が、仕方があるめえ。銀がほしいか、あるいは命がほしいのか?どうだい?」

 「そんな無茶な」

 「じゃあ、やめときな」

 これを聞いて翌さん暫く考えてから答えた。

 「じゃあ、こうしましょう。旦那、銀百両じゃなくて、半分の五十両を貰いましょう」

 「なに?半分の五十両がほしい?」

 「そう、その代わり、わたしを半殺しにしてくださいよ。半分の五十両で半殺し、それでいいでしょう?」

 これを聞いた金持ちはポカーンとしているだけだったそうな。

 今度も「笑府」から「川という字」です。

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