「半殺し」
翌さんは、金がないので正月はどうしようと困っていた。当時、町にかなり意地の悪い金持ちがいて、いつも貧しい人たちをいじめては楽しんでいるという。で、翌さん、いくら考えてもすぐには金が手に入らないので、仕方なくその金持ちを訪ねた。
「なんだと?銭をかしてくれだと?」
「ええ、銭がねえもんで、正月を迎えることも出来ない有り様で」
「今日は貸すわけにはいかねえんだよ」
「そんなこといわないで、貸して下さいよ」
「ふん!銭は貸さないよ。そのかわり、銀をやろう!」
「え?銀をわたしにただで下さるのですかい?これは人の良い旦那ですね。さっそくもらいましょう」
「何を言いやがる。誰もただでお前にやるとは言ってないよ」
「じゃあ、どういうことで?」
「銀百両やるかわりに、お前を殺すのだ!どうだい。銀百両といえば、大金だよ」
「え?銀をくれる代わりにおいらが殺されるのですか?」
「そういうこと」
「そんな。旦那、命がなくなりゃあ、何もかもおしまいでしょう?」
「そうさな。が、仕方があるめえ。銀がほしいか、あるいは命がほしいのか?どうだい?」
「そんな無茶な」
「じゃあ、やめときな」
これを聞いて翌さん暫く考えてから答えた。
「じゃあ、こうしましょう。旦那、銀百両じゃなくて、半分の五十両を貰いましょう」
「なに?半分の五十両がほしい?」
「そう、その代わり、わたしを半殺しにしてくださいよ。半分の五十両で半殺し、それでいいでしょう?」
これを聞いた金持ちはポカーンとしているだけだったそうな。
今度も「笑府」から「川という字」です。
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