日本の共同通信は6日、日本の外交関係者が、「安倍政権は再び対中包囲網の具体的な構想を持ち出そうとしている一方で、中国との対話の切り口を見出そうとしており、周辺諸国との連携強化によって中国にプレッシャーをかけようとしているが、その結果は未知数だ」と指摘したと報道しました。
日本の安倍晋三首相は首相就任以前から、日米同盟関係を修復し「外交立て直し」を主要任務にしており、就任後、初の外遊先にアメリカを選びました。安倍首相は4日の記者会見で、日米同盟を軸に、外交立て直しの作業を推進して、戦略的な外交を大胆に展開していくという考えを示しました。
安倍首相は先月31日に『産経新聞』記者の取材を受けた際、日中関係は最も重要な国家関係であり、国家利益の衝突が起きた時にも、大事なのは冷静さを保ち、経済関係を損なわないことだとして、世界的な範囲で日中関係を位置づけ、日米関係を再構築すると共に、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、オーストラリア、ロシアなどの国との関係を強化・改善していくべきだとの考えを示しました。釣魚島問題については、「公務員常駐」の可能性は依然あるが、日中間の戦略的互恵関係を発展させるという意図も変わらないとしています。
専門家は、「安倍政権の最近の外交・安全保障問題での一連の動きや姿勢は、明らかに中国を包囲して、抑えようとする意図がある。安倍首相が提出した『戦略的外交』は、事実上、前回首相だった時に提出した『自由と繁栄の円弧』の政策に戻ったものだ。これは、東南アジアから中央アジアを経て中欧および東欧をつなぎ、円弧のようにユーラシア大陸を包囲し、日本と『同じ価値観』を持つ国と支えあうものだ。これは、かつて一般には『中国包囲』策として解釈されていた」と分析しました。
また、学者は、「安倍首相がこのほど、『タカ派』のイメージを収め、周辺諸国との関係改善に努めていることから、安倍首相が保守派政治家の代表でありながら実務を重んじる一面もあることがわかる。ただし、このことにより、対中外交で投機性のある実務的な策略を実施していく、すなわち、敏感な問題にふれず、釣魚島問題のエスカレートを防ぎながら、中国との妥協の協議は積極的にせず、『外交包囲』などの手段を通じて中国にプレッシャーをかけるという可能性はある。対中外交を展開するための充分な『点数稼ぎ』をする一方、経済振興、安保強化などによって政権の運営を強固にしてから、対中政策の具体的な策略を決めていく。しばらくは、安倍首相は経済利益と保守的な主張の間のバランスを探っていくだろう」と指摘しました。
安倍政権が、果たして対中関係の改善に誠意ある姿勢を見せるのかどうかを見守っていくべきだと専門家は語っています。(ヒガシ、大野)
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