中国の宇宙ステーション実験第1号機「天宮1号」の打ち上げを前に、27日、中国有人宇宙飛行計画の牛紅光副総指揮は甘粛省の酒泉衛星発射センターで、「天宮1号」と「神舟8号」の自動ドッキングについて初めて全面的な解説を行いました。
牛副総指揮によりますと、「天宮1号」は中国で最も寿命の長い低軌道宇宙船になる予定であり、また、「天宮1号」打ち上げ計画の延期は、「神舟8号」の打ち上げと初ドッキングに影響はないということです。
牛副総指揮は、「天宮1号」は、中国の宇宙ステーションのひな型であるとして、「天宮1号は新しく開発した有人宇宙船であり、中国で最も寿命の長い低軌道宇宙船であり、さらに、簡易式の宇宙ラボと言ってもよい」と話しました。
また、船体の構造について、「天宮1号は実験室と動力室から構成され、全長は10.4メートル、船体の最大直径は3.35メートル、重さは約8.5トンあり、軌道上の作業寿命は2年間となっている。実験室には2、3人の宇宙飛行士が滞在でき、その先端に自動ドッキング装置が据え付けられている。動力室は、宇宙ステーションに動力やエネルギーを提供する」と説明しました。
「天宮1号」の順調な打ち上げを確保するため、打ち上げ用ロケット「長征2号FT1」に対しても改造を行いました。牛副総指揮は「長征2号FT1は長征2号Fをベースに改造したもので、直径4.2メートルのノーズコーン(先端部のカバー)があり、推進器や制御装置、故障検査装置もすべて改修を行い、運搬能力と軌道投入能力をさらに高めた。ロケットの全長は52メートル、重さは493トンで、搭載能力は8.6トンである」と話しました。
一方、「天宮1号」のミッションについて、牛副総指揮は「天宮1号の主な任務は、ドッキング技術の習得、長期的な軌道上の作業や生命維持システム、物資の補給船などの技術を習得することだ」と強調しました。
計画では、「天宮1号」は打ち上げ後、「神舟8号」「神舟9号」「神舟10号」にそれぞれドッキングする予定です。
「天宮1号」は、2011年8月末に打ち上げられる予定でしたが、打ち上げ用ロケット「長征2号F」と同系統の「長征2号C」が、8月に実践11号04衛星の打ち上げに失敗し、衛星を予定の軌道に乗せられなかったことから、原因を解明するまで「天宮1号」の新たな打ち上げ日程を延期したということです。
これについて、牛副総指揮はこの打ち上げ期日の延期は11月初めの「神舟8号」の打ち上げと、初ドッキングに影響はないと強調しました。(ミン・イヒョウ、大野)
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