今年の全国商務活動会議が24日、北京で開かれました。会議では、来年の中国の経済と貿易の発展の重点を、内需の拡大と輸出の安定化、多国間貿易や2国間貿易の強化及び貿易摩擦への対応におくことを決めました。これは、国内経済と対外貿易の両輪を重視している現れでしょう。
国際的な金融危機の影響で、今年の中国の輸出入はマイナス成長となりました。その輸出入額は2兆2000億ドルで、去年同期より16%下がっています。中国の陳徳銘商務相は、これに基づき「来年、は先ず内需拡大を目指して国内の消費政策を改善していくべきだ」と強調しました。その具体策について、陳商務相は 、「国務院が制定した消費促進政策を確実に実施しなければならない。中でも、"家電下郷(家電製品の農村進出)"という政策実施での価格の最高制限を高め、その補助金基準を改善していく。また、自動車の農村進出政策の実施期限を来年年末まで延長させる。家電製品の買い替えでの補助金提供政策を来年5月以降も続行させる。さらに、自動車の買い替えにおける補助金の基準を高めていく」と述べました。
このほか、来年、中国は農村での店舗数を10万増やすという計画を実施し、電子マネーの使用を普及していく予定です。
一方、内需拡大を進めるとともに、商務省は輸出の安定化にも乗り出しています。陳商務相は「外需を満たすため、中国の持つ強みを発揮し、就職を促していく。そしてこれを住民の収入増につながる重要なルートとしていく。そして内需と外需の相互促進により中国経済の発展スペースを共同で切り開いていくべきだ」と強調しました。
ところで来年の1月1日に、中国―ASEAN自由貿易区が正式に発足します。これについて、陳商務相は、「中国は、自由貿易のネットワーク化に努め、自由貿易区をめぐる交渉プロセスを推進していく。今後は、中・日・韓、及びスイス、韓国における自由貿易区創設についての研究を進める。また、2国間貿易や経済協力を深め、ドーハラウンドの推進にも尽力していく。さらに、中国・アフリカ協力フォーラムや中国・アラブ諸国協力フォーラムなどといったメカニズムを利用して発展途上国との協力を強化していく」と語りました。
今年に入って以来、中国にかかわる貿易摩擦も急増しています。統計によると、今年だけで11月までに、合わせて19の国や地域で金額120億ドルに及ぶ貿易救済調査が103件起こっています。陳商務相は、この貿易摩擦の解消にも積極的な態度を示し、その具体策は、「第一に、対応戦略を制定し、政治、法律及びWTOの紛争解決メカニズムなどの手段を通じて対応能力を高めること。第二に自由貿易を進んで主張し、保護貿易主義に反対して関連各側との交渉や協議を強めること。第三は貿易救済措置を利用して産業の安全と企業の合法的権益を守っていくことだ」と強調しました。
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