北京
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まずは上海、やっぱり北京、『アバター』の舞台とされる張家界の大自然の奇観も見逃せない……。このところ、「China Travel(中国旅行)」の風が世界中に吹いている。外国人観光客たちは中国の山河の美しさ、文化の素晴らしさに魅了され、親切な中国の人々と行き届いた旅行サービスの「ファン」になり、その感動を「#China Travel」のハッシュタグとともに世界に発信している。
街頭の広場ダンス、夜市のグルメ、ジャイアントパンダとの至近距離でのツーショット写真……。彼らのレンズは彩り豊かな中国を立体的で写し出す。その体験は「安全、現代的、静か、清潔、おいしい、温かい、優しい」といった言葉で語られている。世界のSNSでの「#China Travel」動画の再生数は、これまでに10億回を超えた。「China Travel中国旅行」はホットワードとなり、SNSでは「チェックイン中国」が人気を博し、かつては想像できなかったような世界の隅々にまで情報が届いている。
このほど発表された世界経済フォーラム(WEF)の「旅行・観光開発ランキング(2024)」によると、観光業発展促進の面で中国は世界8位にランクインした。トップ10の中では唯一の発展途上国である。香港紙「星島日報」のウェブサイトは、中国が世界の「最も魅力的な国ベストテン」にランクインしたと報じた。
この人気の背景にあるのが、外国人観光客の「すぐに行ける」中国旅行の実現を後押しする政策だ。現在、中国は日本を含む欧州、アメリカ、オセアニア、アジアの54カ国に対して72/144時間トランジットビザ免除政策を実施している。これにより、北京、上海、杭州、成都、重慶などの主要地域で72時間から144時間のノービザでの滞在が可能となった。
こうした中国旅行情報がSNSで拡散されるようになり、外国人観光客にとっての中国訪問がぐっと身近なものになってきている。中国国家移民局がこのほど発表したデータによると、今年上半期に中国に入国した外国人は延べ1463万5千人で、前年同期比152.7%増加した。そのうちビザ免除で入国した外国人は延べ854万2千人に達し、前年同期比190.1%の増加となっている。
中国旅行の利便性も絶えず最適化されている。香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」 (South China Morning Post、南華早報)は、このほど中国は外国人のための政策調整を行ったと報じた。中国の銀行や決済サービスに対し、外国人が利用しやすい決済ソリューションを提供するよう求めたこともそのひとつだ。
これまで短期滞在の外国人にとって大きなネックとなっていたのが、中国で普及している電子決済サービスだった。多くの場合、利用登録には中国の電話番号が必要とされている。しかし、現在はさまざまな措置によって、中国での主要決済サービスであるアリペイやWeChatペイなどへの登録が容易になった。インターネットサービス大手であるテンセントは4月、外国の携帯電話番号や銀行カードに対応するようWeChat ペイを更新し、利便性をより高めている。
また、上海市では5月19日、多目的プリペイドカード「Shanghai Pass」の発行が始まった。バス、地下鉄、タクシー、フェリーなどの交通パスとなるだけでなく、観光場所やスーパー、コンビニでも利用できる。安全性の面からも旅行者から歓迎されている。
いま、中国のSNSでは「CityかCityじゃないか?(City不City)」という言葉がブレイクしている。イギリス人ブロガーは価値があるもの、かっこいいものを「City」と表現し、多くの人々が「China Travel」を通して「City」な中国を紹介している。世界はリアルな中国を理解したいと切実に望んでいる。そして、中国もより開放的に、この情熱と期待に応えている。百聞は一見に如かず。みなさんが中国に来て、生き生きとしたリアルな中国を体感することを歓迎する。(CMG日本語部論説員)
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