北京
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中国の習近平国家主席は、このほど、カザフスタンとタジキスタンを公式訪問し、期間中にカザフスタンの首都アスタナで開かれた上海協力機構加盟国首脳理事会第24回会議(アスタナ・サミット)に出席した。同サミットでの習主席の重要な演説から、サミットで発表されたアスタナ宣言、また、習主席とカザフスタンのトカエフ大統領との会談、タジキスタンのラフモン大統領との会談に至るまで、随所に「一帯一路」の質の高い発展の推進に関連する内容が見られる。「一帯一路」は具体的な利益をもたらしているため、関係国はこれを支持し、次のステップの共同建設をさらに推進したいと考えている。
2013年9月7日、習主席は、カザフスタンで初めて「シルクロード経済ベルト」の建設を提唱し、カザフスタンは「一帯一路」に参加した最初の国の一つとなった。11年にわたる協力を経て、現在、中国とカザフスタンは石油加工、太陽光・風力発電、農業、教育、人的文化交流などの分野で多くの協力プロジェクトが実施された。2023年には、中国とカザフスタンの貿易額が初めて410億ドルに達し、前年同期比で32%増加した。現在までにカザフスタンを経由した中欧班列(中国とヨーロッパを結ぶ貨物列車)も1万3千本を超えている。中国はカザフスタンの最大の貿易パートナーとなっている。
今回の訪問期間中、両国の首脳はビデオ方式で中欧カスピ海横断直通快速輸送ルートの開通式典に出席した。中国の大型車両が初めて道路直通輸送でカザフスタンのカスピ海沿岸の港に到着し、カスピ海を経て、ヨーロッパに直行する。これは中国と欧州を結ぶ最短輸送ルートとなった。このルートの開通により、道路、鉄道、航空、パイプライン輸送を一体化した多元化立体相互接続の交通体制が正式に完成したことになる。
では、タジキスタンの状況はどうだろうか。2013〜2023年、中国とタジキスタンの貿易額は19億5900万ドルから39億2600万ドルに増え、約2倍になった。中国はタジキスタンにとって最大の投資国であり、主要な貿易パートナーでもある。タジキスタンのインフラやエネルギー、冶金、セメント、紡績などの工業部門は中国などからの投資で大きな発展を遂げている。
カザフスタンとタジキスタンの発展事例は、「一帯一路」の共同建設が参加国とその国民に実益をもたらしていることを示している。しかし、米国など西側の一部の国が言う、いわゆる「債務の罠」であれ「主権の剥奪」であれ、その本質は「中国脅威論」を大げさに言いはやし、「一帯一路」の急速な展開の阻止することだ。その最終的な意図は、発展途上国を米国の経済と金融システムの計画に従わせ、発展途上国の経済の飛躍的な発展の道を遮断し、それによって米国の一極的な覇権を永遠に維持し、強固にすることである。
欧州や日本、韓国は、米国の同盟国であるにもかかわらず、彼らや米国の企業までもさまざまな形で「一帯一路」のプロジェクトに参加している。例えば、ドイツのフォルクスワーゲンのポルシェのような高級輸入車の多くは、中欧班列を通じて吉林省の長春などに運ばれている。日本や韓国からの自動車部品は海運によって中国の武漢や威海の関連港に到着し、中欧班列で欧州に輸送される。中国にある米系企業、例えばHP社のノートパソコンなどの電子機器は、重慶の中欧班列を通じて欧米市場に出荷されている。中国の「一帯一路」を歪曲したり攻撃したりしている国の企業もこぞって「一帯一路」を利用している。「一帯一路」が「チャンス」なのか「落とし穴」なのかはもはや明白だろう。
最後に、もう一つの国際的権威性のあるデータを見てみよう。「一帯一路」イニシアチブが提唱されてから10年が経ち、中国はすでに150以上の国と30以上の国際組織と、200以上の「一帯一路」共同建設協力文書に署名し、100近い二国間協力メカニズムを構築させた。世界銀行の研究報告書には、「一帯一路」イニシアチブの全面的に実行されたことで、参加国間の貿易往来は4.1%増加し、世界の収入は0.7%から2.9%増加し、また、2030年まで毎年世界に1兆6千億ドルの収益を創出すると記されている。また、「一帯一路」共同建設に参加し、協力する多くの国々は、経済発展と国民の生活向上により、自国の独立と主権を守る能力がさらに向上すると強調されている。(CMG日本語部論説員)
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